top of page

寿命は必ず訪れる「旧耐震マンション」は建て替えどころか、延命化すら厳しい現状

執筆者の写真: 快適マンションパートナーズ 石田快適マンションパートナーズ 石田

更新日:2022年3月30日



 2022年2月17日の日刊ゲンダイDIGITALの表題の記事を紹介します。


「コロナ禍でもマンション価格は高騰と報じられ、築古物件も値上がりする中、気になるのが1981年に引き上げられた耐震基準(新耐震)より前の基準で建てられた、いわゆる「旧耐震」マンション。大地震の際には「命を奪う倒れ方をする可能性がある」とされる。


 全国のマンションストック約676万戸のうち、旧耐震のマンションはおよそ103万戸ほど(2020年度)あるが、その時期にあたる築40年以上の4割ほどが定期的に大規模修繕工事が行われていない可能性がある(18年度マンション総合調査から)。その数ざっと40万戸──。仮に耐震補強をしてもいずれ寿命が来るため、その前に建て替えなどが検討されるが、老朽化マンション全体の10%も建て替えは実現できそうにないという。

「総戸数約50戸のマンションのコンサルを引き受けた際に建て替えの見積もり額を試算したところ仮住まいの費用なども含めて1戸当たり8000万円ほど。建て替えが進まないのは、費用を工面できないのが第一の理由です。自費で建て替えられるのは富裕層が暮らす超一等地の物件だけ。また都心の再開発などによる容積率緩和で総戸数を3倍程度増やすことができる場合には、少ない自己負担で建て替えできます。そもそも、所有者の5分の4の同意が必要なため、建て替え可能なのはほんの一握りです」(マンション管理コンサルタント・土屋輝之氏)


 もうひとつの選択肢が、長寿命化といわれる躯体の延命措置だ。通常60年以上もつといわれるコンクリートも、新築時アルカリ性だったものが経年により中性化することで、中の鉄筋が腐食する。これを防ぐために、建物をコンクリートの箱の状態にして、アルカリ性に戻す作業を行う。

「ほかにも外壁や防水、給排水設備、消防設備、エレベーター、電線ケーブルなどの更新も行うことで100年使える建物を目指すことができますが、長寿命化にかかる費用は耐震補強などを含めると1戸当たり1500万~2000万円程度。これだけの資金がある管理組合はほとんどありません。さらに各戸が負担する専有部分のリニューアル費用が1000万円ほど別にかかります。本来は60年程度でみないといけない長期修繕計画もほとんどが30年程度となっています。築30年を過ぎるあたりから、特別積立金を別途積み立てないと長寿命化すら実現しない恐れがあります」

 そもそもは新築時に将来の建て替えなどを見越して、修繕積立金の額を設定していないのが問題だと土屋氏は指摘する。あなたのマンションは大丈夫?」


 香川県でも旧耐震のマンションが約40棟ありますが、耐震診断を実施したという話は、ほとんど聞きません。まずは、耐震診断を実施し、耐震補強の必要性や工事金額を算出し、耐震補強工事を行ってマンションの延命化をはかるのか?解体して、敷地売却や建替えを行うのか?今後のマンションのありかたを管理組合で検討すべきだと思います。

 以前、管理組合にヒアリングした折には、耐震診断して耐震補強が必要という結果になっても、耐震補強の工事費が算出できないので、建物診断は実施しないという、後ろ向きの話も聞いたことがあります。まさに「寝る子は起こすな」の論理ですが、神戸や仙台、熊本の大地震でも旧耐震のマンションが、倒壊しており、いざとなって慌てても、後の祭りです。

 マンション管理適正化法の改正を契機に、香川県や高松市でも、今は緊急避難道路沿いでしか出ない耐震診断や耐震補強工事の補助金を、すべての分譲マンションで利用できるようにして欲しい思います。


閲覧数:13回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page