給排水の更新・更生を検討しているマンションのお話です。
あるマンションで給水管に赤水が発生しているために、給水管の更新をしたいとの相談がありました。話を聞いていると、修繕委員の皆さんは、さかんに専有部の給水配管の更新の話をしています。そこで、まずは修繕積立金の基本的な話からさせていただきました。
皆さんご存じのように、マンションには共用部と専有部があります。その中で、月々積み立てている修繕積立金は共用部の修繕のために使うお金であり、専有部の修繕は基本的に、各区分所有者が自分の費用で修繕すべきものです。
標準管理規約21条2には「専有部分であっても、共用部分と構造上一体となった部分の管理については、管理組合が共用部分と一体として管理することができる。」とありますが、
21条関係コメントには
専有部分に係る修繕については、各区分所有者が実費に応じて負担すべきであり、例外的に下記3点を満足すれば専有部の修繕に修繕積立金を支給しても問題ないとなっています。
・長期修繕計画において専有部の配管の取替えについて記載
・工事費用を修繕積立金から拠出することについて規約に規定
・先行して工事を行った区分所有者への補償の有無について規定
上記条件を満たさないと、裁判等で争った場合に、管理組合が負ける場合もあるようです。
また、専有部の配管工事については、入居者の住戸内での工事であり、住戸内への立ち入りを拒む入居者については、管理組合が無理やり立入、工事を実施することは出来ません。
やはり原則は、個人負担で工事を実施すべきであり、費用負担をするにしても半額補助等で全額補助には個人的には抵抗があります。
また、私の知っているあるマンションでは、住戸内のリフォームを実施する場合に限って、ある程度の金額を補助しているマンションもあることを、お話させていただきました。それであれば、天井や床材の撤去復旧は、リフォーム業者がやってくれますので、給水管の更新工事は安価に行えます。
相談のあったマンションは、高架水槽方式のマンションでしたので、今後の高架水槽や受水槽の劣化の備えて、給水方式を加圧ポンプ方式や直結増圧方式に変更することを念頭に共用部に給水管工事の更新を行い、その付属工事として、各戸の給水管更新工事をオプション対応で実施すればどうですか?と提案させていただきました。
給水管の交換は、各戸の漏水がきっかけで実施されることが多いですが、修繕積立金の使い方の原則は守る必要があると思います。
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