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打ち切りは突然…管理会社が「管理拒否」高齢化時代のマンション事情

更新日:4月5日



 2022年2月17日の朝日新聞デジタルの表題の記事を紹介します。


「「8月に契約を打ち切ります」

 昨年5月、神奈川県座間市内のマンション(築30年、67戸)の管理組合は、中堅の管理会社から、管理業務の契約打ち切りを一方的に告げられた。

 人件費の高騰を理由に、管理費の3割値上げを提案されたのが昨年1月。4月の総会では、受け入れるかどうかの議論がまとまらず、現状の金額で3カ月延長する提案が管理会社から出された。

3カ月後に再度話し合うことで可決したが、議論は中ぶらりんのまま。5月になって突然、管理会社が打ち切りを突きつけてきた。

 「採算が合わなくなり切られたのでは」と、理事長の男性は振り返る。このマンションでは、別の管理会社4社の見積もりを取り、うち1社への委託を決めた。


 業界紙「マンション管理新聞」が2019年に管理会社30社を対象に調査したところ、7割の会社が、採算が取れないことなどを理由に管理組合との契約を辞退したことがあると回答した。管理コストの上昇などが背景にあるとみられる。

 建物の老朽化や住民の高齢化で、管理が行き届かないマンションも増え始めている。管理は管理会社に委託するのが一般的だったが、自分たちで担う「自主管理」や、一部だけを業者に委託する「部分管理」といったやり方も。資産価値にもかかわる問題だけに、住民自身が向き合うことも大切だ。でも、一体どうすれば? どんなやり方があるのか?


「自主管理」が難しくなり……

 「管理会社に任せてみては?」

 東京都杉並区内のマンション(47戸)では5年ほど前、住民の間でそんな議論が持ち上がった。

 1973年の建築以来、管理会社に頼らず自分たちで管理する「自主管理」を貫いてきた。

 清掃や業者との連絡役などを担う管理人は有償にして、住民に「委託」。設備の修繕工事なども、住民が見積もりの内容や金額を比べた上で発注してきた。

 新築時から、区分所有者に建築事務所や不動産関係者がいたため、こうした自主管理が可能だったという。だが、最近になって、管理組合の司令塔である理事会運営が難しくなり、大きな方針転換を迫られていた。理由は、住民の高齢化だ。

 理事は2年の輪番制だが、近年は辞退者も相次いだ。管理会社に任せることも解決策の一つとして上がり、実際にいくつかの管理会社から見積もりを取った。だが、管理会社に任せても、理事をゼロにはできない。

 ならばと、理事の負担軽減策として打ち出したのが、業務の「内部委託」だ。

 重荷になっていたのが、理事会や総会の議事録や配布資料など「書類作成」と、予算を作り支出入の管理をする「会計」の業務。18年から、この二つを、有償で住民に委託することにした。

 いずれも1年間の報酬は5万円。理事との兼務も可能にした。この軽減策で、理事の辞退者が減ったという。

 「負担の大きい業務を委託したことで、理事になることのハードルが下がった」。住民の70代女性はそう話す。


「部分委託」という選択肢も

 全部を管理会社に任せるのでも、自分たちだけで管理するのでもない、「第三の道」を選んだところもある。

 埼玉県志木市の「セントエルモ志木」(築約30年、8戸)では、業務の不備が目立った管理会社との契約を自ら打ち切り、2005年から自主管理を続けてきた。

 だが、17年度からは、「部分委託」に切り替えた。

 管理会社に委託したのは「会計管理」だ。出入金の管理、業者への支払い、会計文書の作成などを管理会社に委ねた。

 「会計は確かに手間はかかるが、やれないことはなかった。それでも委託したのは『信用の獲得』が理由だった」と、理事長の村上嘉陽さん(59)は話す。

 17年度当時、大規模修繕工事のほか、給水管の更新など、出費のかさむ工事が見込まれていた。試算した結果では、一時的な借り入れが必要となるおそれもあった。

 マンションは8戸と小規模。返済するあてはあるが、銀行から借り入れができるだろうか。そんな不安がよぎった。

 「それならば、第三者の目で組合会計の透明性や健全性を担保してもらうことが必要と考えました」

 このマンションでは、実際に借り入れはしなかったものの、部分委託は続けているという。

 「どのような管理方法であれ、大切なのは住民が自主的に管理できるかどうか。今後も、その視点で管理組合を運営していきたい」と村上さんは話す。


外部の専門家も活用を

 マンション問題に詳しい早大法制大学院教授(民法)の鎌野邦樹さんは「マンション管理の中心を担うのは、本来的には区分所有者の役割だが、日本では新築の入居時に管理会社が決まっていることがほとんど。そのまま『お任せ』になりがちで、主体的に関わるべき管理組合が機能せず、管理会社の言うなりになることもある」と話す。

 区分所有法などでは、個人が所有する専有部分はもちろんのこと、共通の財産である共有部分についても、どう管理するかは区分所有者が決めることになっている。そのための組織が管理組合。中核を担う理事になった場合、積極的に情報を集めるなど、相応の働きが期待されているという。どの管理会社を選ぶのか。どこまで任せるのか。自主管理をするのか、会計や清掃など一部を任せるのか。選択肢はいろいろある。

 鎌野さんによると、管理会社に全部委託する場合は、区分所有者の手間が省ける分、費用が割高になるおそれがある。

 一方、「自主管理」については、コスト減が期待されるものの、その都度、業者を選ぶ必要があり、手間はかかる。

 どこまでお金や手間をかけるのか。区分所有者側の事情に応じた判断が求められるという。

 「どんな管理方法であれ、工事の金額が妥当かといった点は、マンション管理士など外部の専門家に意見を求めることも一つの方法です」」


 高松市内でも自主管理マンションが20棟弱あります。この記事にもあるように、最初はうまく行っていても、入居者の高齢化とともに、管理に支障をきたしている例が多いように思います。自主管理物件よりも、やはり管理会社がサポートしているマンションの方が管理状況は良いですし、最近は住民の負担をより減らす「管理者管理方式」のマンションも増えてきています。今よりは管理費が上がりますが、入居者有志のボランティアに頼るのではなく、費用をかけててでも外部の専門業者に委託するのが、長続きもするし、一番有効な方法だと思います。


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