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既存住宅「省エネ部位ラベル」の運用開始

執筆者の写真: 快適マンションパートナーズ 石田快適マンションパートナーズ 石田

更新日:1月7日



 2024年11月1日、既存住宅の省エネ性能を表示する「省エネ部位ラベル」の運用が始まりました。エネルギー消費性能を星の数で表したり、断熱性能を7段階評価で示したりする「省エネ性能ラベル」の作成が困難な既存住宅についても、定められたラベルを使って表示する必要があるようになります。

 24年4月に改正建築物省エネ法に基づく「建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度」が施行され、建築物の販売・賃貸において、省エネ性能を表示することが販売・賃貸事業者の努力義務となった結果を受けた処置です。

省エネ部位ラベルの表示例。窓と給湯器について表示する必須項目と外壁や玄関ドア、節湯水栓などについて表示する任意項目から成る(出所:国土交通省)


 省エネ部位ラベルは不動産広告や住宅ポータルサイトに表示されます。

 国交省としては、「ラベル表示によって、消費者が省エネ性能に比重を置いて住宅を選ぶような市場をつくりたい」とのことです。

 

対象となる建築物は?

 省エネ部位ラベルの対象となる建築物は、24年3月31日以前に確認申請をした戸建て住宅や賃貸住宅、マンション、買い取り再販住宅など。窓と給湯器のいずれか1つ以上が表示の要件を満たしているが、住宅全体の省エネ性能を把握するのは困難な場合です。

 24年4月1日以降に確認申請をした住宅は、省エネ性能ラベルの対象となるため、省エネ部位ラベルの対象外となります。この他、販売・賃貸用途ではない住宅、窓と給湯器のいずれも表示要件を満たしていない場合も対象外となります。

 

 省エネ部位ラベルの窓の要件は、リビング・ダイニングの全ての窓について、サッシがアルミ製、アルミ樹脂製、樹脂製、木製のいずれか、ガラスが2重複層、3重複層、真空のいずれかに該当すること。給湯器の要件は、エコジョーズ、エコフィール、エネファーム、電気ヒートポンプ給湯器、ハイブリッド給湯器のいずれかに該当することです。

省エネ部位ラベルでは窓と給湯器に関する表示が必須。窓と給湯器のいずれも表示の要件を満たしていない場合はラベルの対象外(出所:国土交通省)

 

 国交省は、既存住宅であっても既存の設計図面などから省エネ性能を比較的容易に把握できる場合、省エネ部位ラベルではなく省エネ性能ラベルを表示することを推奨しています。また、過去に省エネ部位ラベルを取得した既存住宅を大規模リノベーションして省エネ性能を把握した場合も、省エネ性能ラベルの発行を推奨しています。

 

 サッシがペアガラス以上で、給湯器がエコジョーズやエコキュートであれば表示可能とのことですが、一般的な分譲マンションでは、給湯器がそこまで高性能ではないケースが多く、表示対象外となるケースが多いように思います。給湯器は専有部であり個人で交換することが一般的です。またエコジョーズで発生する結露水については、雨水で処理できず、専用配管が必要なケースが多く、既存のマンションでは専用排水管を設置しないとエコジョーズの設置ができません。まずは、エコジョーズの排水を雨水で処理しても問題ないよう、法律等を整備して欲しいと思います。

 

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