検索
  • 快適マンションパートナーズ 石田

月5000円払えば輪番役員を免除される

最終更新: 3月16日



 廣田信子さんのマンションブログに表題の記事がありましたので抜粋を以下に紹介します。


公平性を担保するために、役員就任を辞退する人から理事会協力金を徴収しよう…という考え方が出てきます。 その協力金は、あまり低すぎると、お金を払って辞退した方が楽と考える人が出て、かえって役員のなり手がいなくなってしまいます。では、いくらまでならいいのか…とよく聞かれます。

 役員を辞退する人から理事会協力金を徴収することについては、ある裁判が参考になります。(横浜地裁判決 平成30年9月 (ワ)第2261号)

 マンションに居住する原告が、管理組合を被告として、管理規約、細則に基づいて支払った理事会協力金(役員辞退者から月5000円徴収)の2年分の12万円は不当利得であるとして返還を求めた裁判です。(他の訴えは省略)

原告は…

理事会協力金の支払義務の猶予又は免除に関する規定がない。金銭的に余裕がない弱者に対しても、例外規定を設けず支払い義務を負わせたのは非合理で公序良俗に反して無効だと主張しました。

被告は…

理事の担い手の確保のため、理事に就任しない組合員と、就任する組合員の衡平を図るために必要なものであると主張しました。

裁判所の判断は…

理事会協力金については、364戸の大団地での理事の職責は重い。理事候補とされながら辞退し、職務を負担しようとしない組合員に対して一定の金銭的負担を求め、組合員間の不公平を是正しようとすることには、必要性と合理性がある。


その根拠として、

・本細則は慎重な手続きを経た上、団地総会で満場一致で制定された。

・理事会協力金月額5000円は、理事に就任した者の負担内容と比較すれば、その負担は過大とは言えない。

・理事会協力金は、その後、5年以内に理事に就任し、任期満了まで務めれば返金される。

・この期の理事候補22名の内14名が理事就任を辞退したが、理事協力金の支払いを拒んでいるのは原告だけである。

を上げ、本件細則が理事の選出方法として不合理とは言えず、公序良俗に反して無効であるとは言えない…としました。この判決については、「浜菅ネット通信第28号」で紹介されていました。

 筆者の方は、最後のまとめで次のように述べられています。

 理事のなり手不足は多くのマンションで課題となっています。本件は理事の辞退に関するペナルティとして細則を有効とする判決でしたが、年金暮らしの高齢者が5年以内に理事を務めることができるか、状況により更なる検討が必要であろうと考えます。

 私も同感です。築20数年のマンションで、理事候補22名中14名が理事就任を辞退するというのは、あまりにも多過ぎます。理事の役割が重過ぎるのではないか…とも感じました。役員のなり手不足を解消すための細則が、逆に、12万円払えば2年間の重い責務を免除される…というように、役員辞退を正当化するように働いてしまっている可能性もあります。高齢、精神疾患等で、5年間先送りしても役員を務められないことが明確なケースもあります。

 管理組合は裁判に勝っても、弱い立場の人に配慮しなくてよかったのか…と、管理組合内部に、何か息苦しさのようなものは残らなかったでしょうか。ぜひ、役員辞退者への協力金を検討する場合は、もう少しきめ細かく、本来の「できるだけ役員になってもらいたい」というところが実現するように、役員の業務負担が大き過ぎないか…というところから、検討をしていただきたいと思いました。」

 このブログを読んで、今話題になっているコロナ特措法の罰則規定の話を思い出しました。ルールを守らない人には、罰則で対応するという考え方は、誰でもすぐに考え付きます。でも、それがベストな対応方法でしょうか?

 北風と太陽という話がありますが、上記のマンションでは、欠席者への罰金ではなく、出席者への報奨金という考えがなかったのかと思います。


 私の住んでいるマンションでは、理事に就任し、理事会に出席すると1回1000円のスーパーの商品券が配布されます。今、コンサルタントを行っている管理組合理事長にもお願いをして、修繕委員会のメンバーには修繕委員会への出席の度に 1000円のスーパーの商品券を配布してもらっています。罰則ではなく、メリットを与えることで、理事会や修繕委員会への就任と出席を誘導しています。コロナ対応でも違反者への罰則ばかりが強調されていますが、ムチではなくアメの対応を期待したいものです。


16回の閲覧0件のコメント

最新記事

すべて表示