富士山の眺望を遮るとして引き渡しの直前に解体の方針が決まった東京・国立市内のマンションが、解体工事を開始しました。分譲会社の「積水ハウス」は、「景観に著しい影響があると言わざるを得ず、富士見通りからの眺望を優先するという判断に至りました」とコメントしています。狭い敷地に10階建て、18戸のペンシル型の分譲マンションです。
このマンションは、法的には建てても問題なく、合法的に確認申請を取得し、完成したマンションでしたが、建てられる場所が富士見通りと言われる地区であり、近隣住民の激しい反対運動にあい、売主である積水ハウスは、企業イメージを守るために、解体という判断をしたのだと思います。
反対運動を主導した住民は確かに嬉しいとは思いますが、この後、この富士見通りには、たとえ合法であろうと富士山の眺望を妨げる建物は二度と建てられないのではないかと危惧します。
反対運動をした住民自身も、自分が富士山の眺望を守ると言って反対した以上、自分の敷地に、例え合法であろうとも、今後富士山の眺望を遮るような高い建物を建てることはできません。
ひいては、高い建物が建てられないエリアということで、このエリア一体の不動産価値も下がるのではないでしょうか?
積水ハウスは18戸のマンションの建築費と解体費がかかっただけですが、この地域の住民は、未来永劫、不動産価値の低下という問題に苦しめられる結果になるように思います。
結果、誰も得をしなかった騒動になったように思います。
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