今回は施工業者の選定方法のお話です。業者選定に当たっては、どのような業者に依頼するかの条件(選定条件)を決める必要があります。マンションの大規模修繕工事は最低でも一千万円、規模が大きくなると億を超える工事金額となるため、ある程度の信頼できる企業に見積もりを依頼する必要があります。
経審(経営審査事項)の活用
建設業者の信頼性・技術力を公平に比較する資料として国が定める経営審査事項という項目があります。これは公共事業を受注するのに必要な資格です。見積もり参加資格として、例えば経審(経営審査事項)のP点(総合評点)を700点以上とかに決めておくと、変な会社は排除することが出来ます。業種としては、改修専門会社か一般ゼネコンが一般的です。塗装会社とか防水会社は、その工事の専門会社になりますので、選定会社としては不向きです。気を付けて欲しいのは、選定条件が厳しすぎると、参加企業が少なくなりすぎ、結局高額な大規模になってしまうこと。修繕委員の中に、元役所の方とかがいらっしゃると公共工事と同じような厳しい条件を設定しがちですが、あくまで民間工事ですので、費用対効果で考えましょう。
元施工会社への見積もり依頼
また、元施工(このマンションを新築時に作った)の会社に見積もり依頼することをお勧めします。改修工事を実施中に、元施工の工事の不具合が発見されることもあります。そのような場合、元施工の会社に工事を依頼しておくと、低額で施工してくれる場合もあります。金額が合わないとか、新築工事しかしない等で、元施工会社が請ける、請けないは別にしても、ひと声かけておくと、元施工に不具合があったときに、後々の交渉で有利になります。
見積数量内訳書・仕様書の作成
最終は数社の見積もり金額を比較の上決定するので、見積もり条件を揃える必要があります。見積数量内訳書と仕様書を作成し、見積もり業者に配布する必要があります。見積数量内訳書には足場の面積・タイルの補修面積・吹付タイルの補修面積等を事前に記載しているので、見積もり業者には、施工単価を入力してもらうことで、見積もり比較がしやすくなります。タイルの補修面積等は想定金額ですので、施工後実数清算になる旨、記載しておきましょう。数量増減による追加金額は一切認めないとの記載のある見積もり条件書も、稀に見ますが、施工会社は安全性を見て多くの補修数量を見込むため、結局高い金額の見積書が作成されます。また、改修方法についても、防水の工法、塗装材料の仕様によって金額は変わってきますので、仕様書に改修方法を記載します。
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