
2024年6月14日の廣田信子さんの表題のブログを紹介します。
「犬の飼育は、認知症を発症する確率を低下させる─。
そんな研究結果を昨年、東京都健康長寿医療センターの研究チームが公表しました。
認知症に関する調査は、東京都在住の高齢者1万1194人(平均年齢74.2歳)を対象に、2016~20年の介護保険のデータから、認知症の新規発症例を分析したものです。対象のうち調査開始時点で犬を飼っている人は959人いました。
追跡期間の4年間に認知症を発症した人は、犬の飼い主は犬を飼っていない人に比べて発症確率が40%低いことがわかりました。
犬の飼い主のうちでも、運動習慣があり社会的孤立をしていない人の確率が特に低かったのです。
一方、猫については、猫を飼っていない人との間に意味のある差はみられなかったといいます。
この結果について研究チームでは、犬の散歩などを通じた運動や地域住民とのつながりの影響が考えられると指摘しています。同センターの研究チームはまた、ペット飼育が介護保険のサービス費用を抑制するという研究結果を昨年2月に公表しています。
16年1月~17年6月の18カ月の医療・介護費を分析したところ、介護サービス費用については、ペットを飼っていない人と比べ、ペットの飼い主は約半額に抑制されていることがわかったといいます。ペットの飼育が介護費用の抑制に寄与することが示唆されたのです。
この結果は、私の感覚とも一致します。
マンションでペット可としている高経年マンションでは、高齢者が元気なのです。ペットが子供の替わりを果たし、飼い主間のコミュニケーションが進んでいます。
飼育ルールを守り、ペット飼育している方々がクラブをつくりみんなで面倒を見ていることが大事です。その中で、自分が亡くなった後、ペットをどうするか心配な一人暮らしの方や、ペットが心配で、入院や施設入居を拒む方もいらっしゃると言います。
そういった課題も引き受けて、ペットの引き取り手を探す等の試みはペット飼育者を元気にします。それが、認知症対策、介護費用の削減につながるとしたら、マンションでペット可を進めることにも意味があります。
研究者の方は、これから、高齢者のペット飼育をサポートする仕組みが必要で、それに公費を支出しても、費用に見合う効果があると話されています。」
興味深い研究結果です。犬の世話をすることや、朝夕の散歩で適度な運動をすること。散歩中に犬仲間が出来て活発にコミュニケーションすること等が、認知症予防にも有効な結果をもたらしているのだと思います。古いマンションでペット不可のマンションでは、この研究結果をもとに、ペット飼育が可能なように規約を改正するマンションも増えてくるかもしれません。
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