大規模修繕工事のコンサルタントを実施しているマンションの修繕委員長から、今後南海トラフ地震の発生時に、地震によって玄関ドアが変形して非難できない状況を回避するために、玄関ドアを交換したいという要望がありました。
地震時の建物の揺れに対応して、玄関ドアが変形しないように工夫されたドアは「対震ドア」と呼ばれます。建物の耐震構造と混同して「耐震ドア」という方もいますが、玄関ドア枠に地震に対抗するほどの強度をもたすことは不可能であり、地震による建物の変形に追随するという意味でドア業界では「対震ドア」と呼んでいます。
具体的な対策としては、下記の3点になります。
① 玄関ドアを玄関枠よりも、ひと回り小さくし、ドア枠が変形しても、ドアは変形しないようにする。
② 蝶番を対震蝶番に変更し、地震によって蝶番が変形しないようにする
③ ドアチェックも対震ドアチェックに変更し、ドアチェックをしたままでも、ドアチェックが変形しないようにする
カバー工法を採用し、ドア枠・ドア共交換するのが一番ですが、費用が戸当たり30万程度かかり高額になります。既存のドア枠は残したままで、ドアと金物だけの交換であれば20万円程度で交換が可能です。
2回目以降の大規模修繕工事でドアの交換を検討しているマンションでは、「対震ドア」への交換も是非検討してみてください。
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