top of page
  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

理事会なしマンションが増えている? 住人にとってのメリット・デメリットとは

更新日:2023年7月31日



 2023年1月11日のARUHIマガジンの表題の記事を紹介します。


「マンションでの生活では、共通ルールや住人同士の付き合いなど、集合住宅ならではの要素がデメリットだと捉えられることは珍しくありません。なかでも気がかりなのが、「理事会」ではないでしょうか。マンションの理事会役員は当番制のところも多く、会議への参加など負担が増えることもしばしばです。

 しかし、最近では理事会がないマンションも出てきていることをご存じでしょうか。この記事では、理事会のあるマンションが減っている理由や、理事会のメリット・デメリットについて見ていきます。


マンションの理事会を維持することが難しくなっている

 マンションの理事会は、建物の維持や管理を担う組織です。分譲マンションでは「区分所有者」たちに管理組合への加入が義務付けられているため、一般的に住人たちが理事会を運営します。

しかし、近年では理事会役員のなり手の減少が問題になっているマンションも少なくありません。長年就いていた理事会役員が高齢化で退任したり、共働き世帯の増加などで役員を断られたりするケースが増えています。

 管理組合によっては理事会役員の配偶者や家族による代理出席が認められないことも。このような制約の多さは、マンション購入そのものを遠ざけてしまう理由にもなり得るでしょう。


「理事会なしマンション」とは?

 従来、マンションの理事会役員は住民やマンションの所有者から選出されていました。

 しかし、理事会役員のなり手が減っている昨今では、住民による理事会を構成せず、維持・管理を第三者に依頼する「理事会なしマンション」が増えています。外注先は、管理会社やマンション管理士、税理士、弁護士などさまざまです。住民はマンション管理に直接は関係せず、基本的に費用のみ負担します。なお、第三者への依頼は、次項で解説する法改正で可能となりました。


住民以外も理事会役員になることができる  以前は、マンションの区分所有者である住民以外の理事会役員選出は、原則として認められていませんでした。

 しかし、まず2011年にマンションの管理組合について定めたマンション標準 管理規約第35条が改正され、マンションに住んでいない組合員でも、理事になれるようになりました。

 続いて2016年には、同規約に「外部専門家を役員として選任できることとする場合」の条文が追加されたことで、区分所有者以外も理事会役員に就任できるようになっています。

 マンションの維持・管理を第三者に依頼できるようになったことで、運営の人手不足解消、ひいてはマンションの管理不足による老朽化や空室増加などの問題の改善が期待されています。


第三者管理方式と呼ばれる  マンションの住人による理事会を設けず、外部に維持・管理を依頼するやり方は、「第三者管理方式」と呼ばれています。第三者管理方式には、以下の3種類があります。


・理事・監事外部専門家型または 理事長外部専門家型  マンション管理士などの専門家を、理事長、副理事長、理事または監事等に招き、住民とともにマンションの維持・管理にあたる形式。大規模修繕や耐震工事、管理会社の選定など、専門的な知識が必要なときにスムーズな決定が下せます。


・外部管理者理事会監督型  外部の専門家を理事会の管理者として選び、その活動を理事会が監視する方法が「外部管理者理事会監督型」です。災害対応や滞納管理費の回収といった問題に、高い専門性を生かせるため、大規模マンションなどに適しているとされています。


・外部管理者総会監督型  従来の理事会を置かず、外部の専門家が管理者になる方法です。この場合、外部管理者の監督には住民から監事を選出するか、監査法人による外部監査を行うことになります。

 この方式 は理事会がないため、住民への負担が少ない点がメリットです。理事会役員のなり手がいないマンションに適しているとされています。


理事会なしマンションに住むメリット

 理事会なしマンションには、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。


住民の負担が軽減する  理事会なしのマンションのメリットとしてまず挙げられる点が、住民の負担軽減です。

 マンションの理事会役員になると、定例理事会などの会議に加えて、予算案や修繕など事業の計画案の作成、規約の制定・変更・廃止など、さまざまな業務を担わなければなりません。役員を住民間の持ち回りでこなすマンションも多いため、役員になる頻度や時期を選べないこともあります。

 また、マンションの維持・管理を行う理事会が機能しなければ、自分たちの住環境が悪くなってしまう一方、役員のなり手がなかなか見つからず苦労するケースも少なくありません。理事会なしのマンションなら、住民はこうした悩みから解放されるでしょう。


専門的な知識を持った人で理事会を構成できる  専門家に頼れるところも、理事会なしのマンションが持つメリットです。

 マンションの理事会は、運営コストの管理や会計処理、建物の修繕に関する手続きや手配、住民同士のトラブル解決など、さまざまな役割を担います。ただし、理事会役員の住民が住宅管理のプロフェッショナルであるとは限りません。理事会の業務がスムーズに運ばなかったり、重要な決定に悩んだりすることもあるでしょう。

 しかし、専門家に委託する第三者管理方式なら、専門知識を持つ人にマンションの運営を任せられます。マンション生活で困ったことが起きた場合も、知識や経験が豊富な人に相談できるようになります。


理事会なしマンションのデメリット

 理事会を持たないマンションにはメリットが多い一方、いくつかのデメリットもあります。


かかる費用が上がる  まず挙げられるのは、コストがより高くなるという点です。

 第三者管理方式では、管理会社や専門家に有償でマンションの維持・管理を委託します。そのため、住人が理事会役員となる従来の方法よりも、支出が増えることになります。

 外注にかかる費用は当然、住民が負担します。また、ひとたび第三者管理方式を採用すると、従来の形式に戻すことは難しいとされているため、マンションに住んでいる間は委託費を払い続けることになります。

 長期的に見れば支出額も大きくなるため、理事会なしのマンション購入前にはこの点を考慮に入れておく必要があるでしょう。


住民の希望が反映されにくくなる  住民の希望がマンションの運営に反映されにくくなる点も、理事会のないマンションのデメリットです。委託先や住民の関与の度合いによっては、住民の意図とずれた管理方針が採られることもあります。

 そもそもマンションの理事会は、住民による自治を目的に設けられていたものです。マンションで起きるさまざまな問題を解決し、住みやすい住環境を保つためには、住民目線の理事会が有用な場合もあります。


理事会なしマンションは今後増加する?

 理事会を持たないマンションは、現状では主流とはいえませんが、今後は増加する見通しです。

近年では、大手不動産会社が自社のマンションで、第三者管理方式の導入を開始しています。以前は所有者の関与が少ないリゾートマンションや、投資用マンションなどで採られていた第三者管理方式が、一般的なマンションでも採用され始めています。

 それには、記事の最初で紹介したように、理事会役員の高齢化や共働き世帯の増加で、従来の理事会が維持しづらくなっている点が大きな理由です。なお、マンションの住民同士の交流が減る問題の解決策として、交流専用アプリの導入などを検討しているところもあります。


まとめ

 理事会なしマンションのメリットは会議などの負担が軽減する、専門家にマンションの運営を依頼できる、といったものがあります。ただし、基本的にマンションの管理費用が上がりますし、住民の意見が反映されづらくなる恐れもある点には注意が必要です。

 従来の理事会を持たず、第三者にマンションの維持・管理を委託する第三者管理方式を採る分譲マンションは増えつつあります。自身のライフスタイルや、マンションに求めるポイントを明確にして、運営方法からマンションを選ぶことも一つの方法でしょう。」


 この記事にもある通り第三者管理方式のマンションは今後も増える見通しです。東京の新築分譲マンションでは、入居当初から第三者管理方式で運営するマンションも出てきています。マンションが高経年化し、入居者も高齢化してきたマンションでは、理事のなり手不足から、第三者管理方式が増えていますし、管理会社も理事会運営補助という面倒な業務がなくなるため、積極的に第三者管理方式を提案している管理会社もあります。ただし、採用にあたっては、すべてを管理会社に丸投げするのではなく、マンション管理士等を顧問として採用し、管理会社の活動をけん制することも重要です。


閲覧数:10回0件のコメント
bottom of page