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執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

社会的イメージを最優先

更新日:2022年2月16日



 2022年1月13日の朝日新聞の表題の記事を紹介します。


「コロナ禍では、どうすれば人々の行動変容を促せるかが課題になりました。私たちのチームは2020年の春から夏にかけ、どういうメッセージが有効なのか、行動経済学の手法で研究しています。20~69歳の4241人にオンラインで調査しました。

 「3密を避けるとあなたの命を守れます」という利己的なメッセージや、「身近な人の命を守れます」という利他的なメッセージなど、数種類のメッセージを送り、行動を追跡しました。結果、行動変容に最も効果的だったのは、身近な人の命を守れますという利他的メッセージでした。他方、利己的なそれには全く効果がありませんでした。

 なぜなのか。行動経済学の世界には、人は自身の社会的イメージが損なわれないような行動を採るとする学説があります。他人の命を守ろうといった利他的メッセージに触れると、人は「そう行動するのが社会規範に適合しているのだ」と認識し、規範から外れた人と見られないような行動を選ぶ。つまり、自身の社会的イメージを守ることが最優先されているのです。

 この説の描く人間像が利己的なのか利他的なのかは非常にあいまいです。「利他的な人とみなされたい」という思いに駆動されている場合、行動は利他的に見える半面、動機は利己的だからです。

 昨年1~3月には、ワクチン接種率を上げるためにはどういうメッセージが有効かを探る調査もチームで実施しました。効果が確認できたのは、あなたのワクチン接種が周りの人のワクチン接種を後押しします、というメッセージでした。

 人より先にワクチンを受ける行動には、周囲から「利己的だ」とみなされるリスクが伴います。しかし、もし「それは他人を救う利他的な行動だ」というメッセージが発せられていれば、人は自身の社会的イメージが損なわれることを恐れずに足を踏み出せるでしょう。人間はそもそも利他的なのか利己的なのかといった「究極の問い」をどう考えるかとは別に、人の利他性が発現しやすい状況を作り出すことは可能なのです。


 私は以前、ワクチン接種率を高めたいなら「お金をあげる」と言えばいいと漠然と思っていました。でも調査してみたら、意外に思える結果が出ました。接種を受けるつもりだと答えていた人たちに「もし千円もらえるなら受けますか」と尋ねたところ、約1割の人が「受けたくない」と考えを変えたのです。

 お金のために利己的に動いたと見られたくない、という社会的イメージの意識が働いたためでしょう。利己的と見られたくないというのは、人の大事な特性です。その特性を踏まえながら政策を考える姿勢が求められています。」


 人間は集団で生活するための知恵として、利己的よりも利他的に行動する生き物のようです。利他的に行動することが結局は自分の利益になることを昔からの知恵で知っているからでしょうか?まさに「情けは人のためならず」です。

 マンション内に掲示する注意文もこの法則に基づいて作れないかと思います。単純に「○○禁止」と貼り紙をするよりも、「日頃は快適なマンション生活のためにご協力いただきありがとうございます。入居者の方から○○に困っているという相談がありました。お心当たりのある方は、今少し普段の生活の中で注意していただければと思います。あなたのちょっとした心遣いの○○が、当マンションの価値を高めます。」的な、国語力のある方が、騒音等の注意文を作ってくれないかと思います。


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