令和3年3月1日から、神戸市は「管理状況の良好なマンションに対する適正な維持管理の継続と継承の支援」と「管理状況に課題を抱えるマンションに対する適正な維持管理への転換の支援または再生への支援」を目的として、「届出」「情報開示」制度の運用を開始しました。
具体的には、「届出」として、6戸以上の分譲マンションの管理組合に対して、3年ごとに管理状況を届出を求め、届出により、市は管理状況の実態を把握し、管理状況に応じた助言・支援を行うこと。
「情報開示」として、管理組合の意向を確認した上で、届出内容を神戸市のホームページに公開し、管理状況を市場が評価することや、購入予定者が管理状況を確認できるようにすることが、制度の概要です。
また、支援制度の拡充として
(1) マンション管理支援員の配置
マンション管理の適正化を一層推進するため、マンション管理士の資格を有する「マンション管理支援員」を新たに配置し、管理組合からの多様な相談に柔軟に対応します。
(2) マンション管理相談専用ダイヤルの開設
マンション管理に関する相談、「届出」「情報開示」に関する問い合わせ等に円滑に対応するため、マンション管理相談専用ダイヤルを開設します。
(3) 専門団体との連携による取組
市内のマンションの管理適正化を推進するため、神戸市、独立行政法人住宅金融支援機構、一般社団法人兵庫県マンション管理士会及び一般財団法人神戸すまいまちづくり公社は、令和3年1月26日(火曜)に協定を締結しました。
「届出」「情報開示」制度の広報、専門家の派遣、長期修繕計画の見直し・策定など、各団体が専門性を生かし連携した取り組みを行い、市内マンションの管理適正化を一層推進していきます。
具体的取組内容
· マンションの管理適正化の推進及び再生支援に資する情報の発信に関する事項
· マンションの管理、改修及び建替え(再生)の相談に関する事項
· マンション管理組合への専門家等派遣に関する事項
· マンション管理組合の長期修繕計画の策定・見直しの支援及び金融支援に関する事項
· その他、本協定の目的を達成するために必要と認められる事項
等が定められています。
上記内容は、来年4月から運用が開始される「改正マンション管理適正化法」の運用を先取りしての対応です。この届出制度の目的は、管理不全のマンションを少なくし、スラム化を防止する。 そしてマンション管理状況を公開して、より良い管理状態のマンションが中古マンション市場で評価され選択される。 資産価値向上に貢献する仕組みの構築を目指しています。
来年4月以降には、各地方自治体においても、同様の取り組みが実施される予定で、マンションの専門家(マンション管理士)を活用して、管理不全マンションにならないような取り組みが各地で実施される予定です。私の所属する香川県マンション管理士会でも、今後行政と連絡を密にし、管理不全マンションを少なくする手助けが出来ればと考えています。
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