今回は前回に引き続き、理事会運営のお話です。
総会で、新しく選任された理事及び監事は、第1回理事会で以下のことをしなければなりません。
役職の決定
総会では理事を決定しても、理事長等の役職は決めないのが一般的です。役職は理事の互選により決定されますので、まずは話し合いで、理事長を決定します。その後、副理事長・会計担当理事等を選出します。規模の大きなマンションでは、部会を設けたり理事の担当分野を決める場合もあります。担当理事としては、広報担当・コミュニティ担当・修繕担当・防災担当・環境美化担当等があります。
役職決めはとても重要です。特に理事長は、理事会を代表し、管理組合をリードする役割があります。くじ引きやじゃんけんで選ぶのではなく、各理事が自己紹介を行い、お互いを知った上で、メンバーの中で誰が一番理事長にふさわしいかを、話し合いの中から選ぶようにしましょう。
理事の任期を2年とした管理組合では、1年目の理事は副理事長までとし、2年目の理事の中から理事長を決めるような細則をつくればお互いの人柄も良くわかりトラブルも少なくなると思われます。
前期理事会からの引継ぎ内容確認
理事会の運営でもっとも重要なのは「継続性」です。理事会の任期を、2年任期で半数交代とするのが理想ですが、1年任期で理事が入れ替わる管理組合が多いのが実情です。「引継書類一覧表」を作成し、担当理事毎に新任理事へ説明しながら、書類を手渡すことが理想です。最低でも、引き継ぎ書を作成し、前期理事会がやろうと思っていて出来なかったことや、マンションの課題、今期理事への期待等を記載して、引き継ぐ必要があります。ちなみの一般的な引継ぎ書類としては以下のものがあります。
・銀行預金通帳一覧表
・保険証券一覧表
・什器備品一覧表
・修繕工事台帳
・保存文書一覧(総会議事録・理事会議事録・保守点検報告書・管理委託契約書・
重要事項説明書・工事請負契約書・長期修繕契約書・居住者名簿など)
・竣工図書
今期計画の確認
総会で決議された事業計画・事業予算を確認します。この1年で何をするのかをしっかり確認し、その実施のためのスケジュールを立てます。理事会の開催予定日も、基本、第〇○曜日の○○時からなどと決めておけば、後々のスケジュール管理が楽になります。
建物見学会の実施
時間をとって、自分の住んでいるマンションを全員で見学することをお勧めします。入居者が立ち入ったこともない場所や設備がマンションにはたくさんあります。屋上・電気室・エレベーター機械室・防災倉庫・管理員室を見学し、また給排水設備・電気設備・情報通信設備・エレベーター設備・消防設備・機械式駐車場などの設備や、花壇などの外構や外壁の劣化状況もあわせて確認します。マンションの設備等を見学しておくと、保守点検の説明を受けたときにも理解が早まり、また、修繕が必要な場所等も確認できます。
懇親会の開催
1年間、チームを組んで円滑に仕事をしていくためには、お互いのことを良く知ることが重要です。最初に懇親の機会をもつことで、理事会運営が円滑になります。できれば簡単な飲食を用意し、懇親会を第1回理事会後に開催することをお勧めします。
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