2020年11月11日に全国マンション管理士会合同研修会が新型コロナの影響もあり、ウェブ会議にて実施されました。遠隔地にいる身としては、家にいながら講習を受けられるのは、ありがたい限りです。
今回の研修会では、令和3年4月から施行される予定の、改正マンション管理適正化法の話がほとんどでした。また、その中でマンション管理士の役割が重要視されていることが強調されていた内容でした。
改正マンション管理適正化法によって、期待されているマンション管理士の役割には以下のようなものがあります。
マンション管理状況の実態調査
香川県にも500棟超の分譲マンションがありますが、管理規約や長期修繕計画の有無、管理費や修繕積立金の費用、自主管理かどこの管理会社が管理しているか等のデータベースが存在していません。地方自治体が、管理組合に連絡しようにも、連絡先さえもわからない状況です。マンション管理士会として、これらの実態調査のお手伝いが出来ると思います。
管理不全マンションへの助言・指導
調査の結果、管理不全マンションがわかった場合、改正マンション適正化法では、専門家が出向き助言・指導を行うことになっています。この役割こそ、マンション管理士が行う業務だと思います。自治体によっては、マンション管理士や一級建築士の無料派遣を事業として行っている行政もあります。
管理計画認定制度の基準を満たすかの調査
改正マンション管理適正化法では、各自治体で制定した認定制度の内容を満たしているか調査し、5年毎に審査する必要があります。マンション管理の内容を熟知しているマンション管理士が審査すれば、行政の負担は軽くなります。
行政としての周知活動
管理組合の意識向上のため、セミナー開催や相談窓口の設置があげられます。行政とマンション管理士会が共同して実施すれば、より有益な周知活動が実践できると思います。
まとめ
マンション管理士は業務独占でないため、開業しても「専業で飯を食っていくのは難しい」と言われていました。今回の改正マンション適正化法では、専門家の活用が随所に求められており、やっとマンション管理士が日の目を見たように思います。今まで、行政との付き合いもなかった香川マンション管理士会としても、今後は行政とともに、よりよいマンション管理のために尽くしていきたいと思います。
研修会の中で、東京都マンション管理士会の親泊会長からは、東京都の取り組み事例の説明がありました。東京都の取り組み事例をもとに、地方ならでは状況にあわせた対策を実施すれば、より効果的な対策が出来ると思います。
東京都マンション管理士会も設立して10年数年が経過し、「東京都マンション管理士会が行政から業務を受託して会員に仕事を振り分ける」という仕組みが出来上がりつつあるそうです。一方個々の会員は、自分の業務が多忙をきわめ、役所との連携事業への関わりが難しくなっているとのお話もありました。香川県マンション管理士会も将来的には、そのような状況になりたいものだと思います。そうなれば、若いマンション管理士の方の活躍の場も広がるだろうし、マンション管理士を業として営む人も増えてくると思います。
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