今回はマンション管理員さんのお話です。マンション管理員さんというと定年後の高齢者が多いイメージですが、その理由は以下の通りです。
「マンション管理員」に高齢者が多い理由その1:お金 理由の第一はお金の問題です。 管理会社は契約に基づいて管理組合から毎月管理委託費をいただきますが、その範囲内で契約書に明記された業務を実施した上に利益も出さなければなりません。 委託費の減額要求が頻繁に出されるなど、管理に対する目が厳しくなっている状況下では管理員業務にコストをかける余裕はありません。
ほとんどの管理員さんは、契約社員であり、国で定められた最低賃金の時給で働いています。香川県で820円、1日6時間、週5日働いても約10万円です。若い人は、もっと時給のいいコンビニや飲食店等で働きます。
既に年金も貰っていて、それほどお金の心配をする必要のない年代の方がうってつけの仕事なのです。リタイアしてから家でじっとしているよりは外へ出て働いた方が体にいいし、酒もうまい。年金以外に収入があれば孫におもちゃも買ってやれる。
家でじっとしているよりも、入居者との交流もあって楽しいと、お金は二の次で働くことが楽しい人。管理員に向いているのはこういったタイプの人です。
香川県でも、最低賃金は5年前の719円から818円へと、約100円上がっています。それに見合う管理費の値上げは、管理組合としても認めるべきだと思います。
「マンション管理員」に高齢者が多い理由その2:コミュニケーション能力 管理員に高齢者が多い理由の二つ目は不特定多数の人間を相手にする仕事であることです。 管理員は常にマンションに詰めているため、何か問題が発生した場合大半は管理員の所に持ち込まれます。 居住者同士のトラブルや管理会社に対する苦情などで、時には血相を変えて怒鳴り込んでこられるようなこともあります。 この場合、最終の対応は管理会社の社員であるフロントマンがやりますので、管理員に求められることは、その場を一旦うまく納めることです。 マンションは集合住宅ですので、そこで生活している人々は多種多様なタイプの人がいます。 トラブルを複雑化させないためには初期対応が重要で、相手のタイプに応じて謝るべき時には謝る、やり過ごすときにはやり過ごすといった使い分けが必要です。 そのため管理員にはある程度以上の人生経験がどうしても必要なのです。
管理員さんは、皆さん概して感じのいい人が多いです。明るく挨拶してくれると気持ちがいいです。以前勤めていた会社でも、高齢でやめる管理人さんに、入居者から、お礼の手紙をいただいたという話を何回か聞きました。
そんな話を聞くと、感謝される立派な仕事なんだと思います。
最近は企業の65歳までの雇用延長等で、管理員さんを希望する高齢者も減っているようです。もっと時給を上げて、人気のある職業になって欲しいと思います。
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