今回はマンション管理会社のお話です。
マンション管理会社は、大規模な設備投資が必要ないので、比較的新規参入しやすい業界といわれており、全国で2000社以上あります。
マンション管理会社は、その成り立ちによって「デベロッパー系」「独立系」「ビルメンテナンス系」の3タイプに分類され、それぞれに特徴があります。それぞれのタイプごとの特徴について説明します。
近年マンションの管理会社を変更する管理組合も増えています。サービスの多様化や業界内の競争の激化によって、顧客の争奪戦が始まっているともいえるでしょう。ただ、管理費の高い安いだけで管理会社を決定するのはリスクが高すぎます。マンション管理会社のタイプ別特徴も参考にしてください。
タイプ1『デベロッパー系』管理会社の特徴
デベロッパー系のマンション管理会社は、新築マンションを分譲するデベロッパーの管理部門が独立した子会社です。基本的には、親会社が分譲したマンションの管理を受託することが多いため、積極的に他の管理会社の管理物件(マンション)に対し、リプレイス(管理会社変更)の営業をおこなうことはありません。ブランド力があり信頼感はありますが、そのブランド力に頼り、管理組合が管理会社に支払う管理委託費が高めに設定される傾向があります。香川県では、あなぶきハウジングサービス・穴吹コミュニティが、このデベロッパー系の管理会社になります。
デベロッパー系管理会社のメリット
デベロッパー系管理会社のメリットは、元々そのマンションを作った会社の子会社なので、管理するマンションの詳細まで知り尽くしていることです。そのため、トラブルが発生した時の対応も的確です。また建物自体に問題があった場合も、グループ一体で解決にあたってもらえるので、責任の所在が明確です。
デベロッパー系管理会社のデメリット
デメリットとしては、デベロッパーが親会社であるため、親会社の意向に強く言えない傾向があります。また営業しなくても受託数が増えるため、積極的な提案が独立系に比べると少ないです。
タイプ2『独立系』管理会社の特徴
独立系のマンション管理会社は、デベロッパー系とは違い、親会社を持たない独立した企業で、マンション管理を専門にしている中小企業が多いのが特徴です。独立系の管理会社は、積極的にデベロッパー系の管理会社の管理物件(マンション)に対しリプレイスの営業をおこない管理戸数を増やしています。 デベロッパー系の管理会社とは事情が違い、積極的に営業をしないと管理戸数を増やすことができないこともあり、デベロッパー系に比較して、管理委託費は安価です。しかし、その分の利益の不足分を補うために「大規模修繕工事」や「日常修繕の工事」などを割高に受託することで利益を確保する傾向があります。また収益性確保のため、フロント営業社員1人あたりの管理物件数も多い傾向にあり、きめ細かい対応がおざなりになるケースもあります。香川県では合人社計画研究所や日本ハウズイングが独立系の管理会社になります。
独立系マンション管理会社のメリット
一番のメリットは管理費が比較的安いことです。また、元施工のデベロッパーに対しても、公平な立場で発言が出来ます。
独立系マンション管理会社のデメリット
デメリットは、管理委託費が安いことによるサービスの質の低下です。また、管理費が安い分を、工事費等で捻出しようと、割高な工事費が設定されることがあります。また、フロント対応者の技量によって仕事をしているケースも多く、フロント対応者の異動によって、急に対応が悪くなるケースも多いです。
タイプ3『ビルメンテナンス系』管理会社の特徴
ビルメンテナンス系のマンション管理会社は、主にオフィスビルや商業施設などの管理を主力としています。商業施設やオフィスビルのメンテナンスをおこなってきたことから「清掃」や「設備の保守」などハード面での知識や経験は豊富です。一方で、マンション管理組合の運営や、理事会への支援業務などソフト面での対応については、弱い傾向にあります。香川県では星光ビル管理や太平ビルサービスがビルメンテナンス系の管理会社になります。
ビルメンテナンス系管理会社のメリット
事務所ビルや商業施設の管理が主業務のため、機械設備の保守や、清掃業務が得意な会社多く、それらのサービスの質も高い場合が多いです。
ビルメンテナンス系管理会社のデメリット
デメリットは幅広いサービスを提供しているため、費用が高くなりがちです。また理事会の運営支援等のソフト面のサポートが弱い傾向にあります。
まとめ
少々管理費が高くてもサービスの良いデベロッパー系か、費用は安いがサービスもそこそこの独立系を選ぶというのが、ほとんどの管理組合ではないでしょうか?
私も、東京でいたときに財閥系デベロッパーの管理会社と独立系の管理会社、それぞれの社員の方とお仕事をさせていただいたことがありますが、社員の質が全く違いました。やはり一部上場企業の財閥系デベロッパーの管理会社は、社員もなるほどと思わされるような立派な方が多いです。
最近は、デベロッパー系の管理会社もリプレイスに注力しています。管理費の値段だけでなく、提供されるサービスも含めて、ご自身のマンションに見合った管理会社を選んでください。
Commentaires