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  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

管理組合におけるAED(自動体外式除細動器)の設置をめぐる議論

更新日:1月19日



 2022年9月8日に「マンションみらい価値研究所」から表題のレポートが出ています。


 AEDの設置は理事会でも話題になることが多く、私が住んでいるマンションでも10年くらい前から設置しています。また、大規模コンサルタントを実施した2棟のマンションでも、大規模修繕工事決定の総会に併せて、両マンションともAEDの設置が了承されましたが、1物件のマンションでは、次の期の理事会が、費用対効果と、設置場所、維持管理費等を問題に設置を否決しました。まさに賛否両論の状態です。

 このレポートを読んでみると大和ハウスグループで管理する分譲マンション約4,000組合において829組合のマンションでAEDが設置されていたそうです。AED導入率は約21%です。


 AED設置に関する意見は下記の通りです。これらを集約すると、賛成派の意見は主に「人命の尊さ」を主張し、反対派の意見は「発生の頻度」と「費用負担」を天秤にかけていることかわかります。



 令和3年12月24日に総務省が公表した「令和3年版 救急・救助の現況」によると、一般市民が目撃した心原性心肺機能停止傷病者のうち、一般市民による心肺蘇生等実施の有無別の生存率は以下のとおりだったそうです。


 調査した総会資料や議事録の中にも、AED設置は「保険のようなもの」という表現が複数見られました。また、AEDの使用により誰かの命が助かった事例を身近で体験または見聞きしている人が、導入の必要性をより強く感じるというのも理解ができます。


管理組合が費用負担をせずにAEDを設置している事例では


① AEDを付帯する自動販売機の設置

 飲料メーカーに自動販売機の設置場所を提供する格好で管理組合に入る飲料売上 の販売手数料と引き換えにAED付帯型に変更している事例もありました。この場合、AEDの契約主体は飲料メーカーとなるため、消耗品の交換なども管理組合はノータッチとなります。ただし、飲料メーカーが示す設置の諸条件があるため、検討が難航している事例もあるようです。


② 自治体の補助金を利用した設置

 「マンション居住者以外も誰でも24時間使える状態で設置すること」「マンション居住者の中に救命講習等の修了者がいること」などいくつかの条件があります。設置については無償ですが、電気代や修理代は発生するという事例です。


 このほか、一般会計における別の収入(例:オフィシャルポスティング)をそれに充当するという事例や、一般会計における別の支出(例:エレベーターかご内のレンタルマット)をやめてその分の費用を充当するという事例もありました。管理組合から自治会(町会)へ設置を打診した事例や、両者で費用を折半している事例もあったそうです。


 調査を進めるなかで、AEDを使用する事象の発生確率に言及した反対意見に対して「もし設置したAEDが使用されなかったとしても、それは救命救急が必要となる場面が発生していないことになり、それはそれで喜ばしいことだ」や「自宅の近距離にAEDを設置するのは戸建てでは実現しづらく、マンションならではメリットだ」という見方もありました。

 また、総会で承認されたとしても、その時に示された条件が叶わず設置がしばらく保留になったり、設置を中止する議案が次の総会で上程されたり、組合員によって判断基準が大きく異なるテーマなのだと見受けられます。


 レンタルで設置して月々の費用は3000円程度ということなので、地域貢献も考えて、オートロック内ではなく、地域の人も自由に利用できるスペースに設置することを、個人的にはお勧めします。また、年に1回の防災避難訓練時に、心臓マッサージを含めたAEDの使い方講習を行うことも必要だと思います。

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