管理組合損害補償金給付制度は、管理組合がマンションの管理運営について第三者管理者方式を採用するうえで、安心してマンション管理士に委託することができるように設けられた制度です。この制度を活用できるのは日本マンション管理士連合会の所属する認定マンション管理士のみになります。
役員のなり手不足、管理費等の収支の悪化、特に修繕積立金の不足が表面化し、ますます難しい問題が生じてきていることから専門家への期待が高まっています。一方、専門家に委託する上で、そのルールの希薄さや専門性の担保(財産的裏付け)などが課題となり、より信頼性を高めることが要望されています。マンション管理士が第三者管理者や組合資金の口座印を預かる業務を遂行する際、管理組合財産の保全について、マンション管理士賠償責任保険では、管理費等の着服等の不正行為は保険適用外となっています。そのようなことから、専門家として一層の信頼性を提示することができるように、日本マンション管理士会連合会(以下「連合会」という。)はこれらの諸問題を解消すべく独自な制度を構築しました。
本制度により、従来のマンション管理士賠償責任保険(マンション管理士の業務につき行った行為に起因してマンション管理士が、管理組合や第三者に損害賠償請求された場合の損害を補償します。)では填補されない不正行為による管理組合様の財産損害についても補償が可能となります。
1.制度の対象 ★ 本制度の対象となるマンション管理組合
認定マンション管理士が役員を受託する管理組合樣すべてが対象となります。ただし、次の場合は除きます。
➀ 認定マンション管理士が、当該管理組合樣の区分所有者である場合
➁ 当該管理組合樣が、以下の手続きをされていない場合・「管理組合損害補償金給付制度に関する重要事項確認書兼同意書」、直近の収支報告書及び通帳の写しの提出・管理組合樣の出納会計支払業務のマンション管理業者への委託(通帳管理を含む)・資金の保管口座の届出印の変更(当連合会指定の印)及び連合会に当該届出印の預け・連合会に管理会社が保管できない有価証券の預け・補償証明書受領証の提出
➂ 管理組合員樣が、組合資金の口座印を保管している場合
2.補償内容
当連合会に登録する認定マンション管理士の不正行為により、管理組合樣が金銭的損害を被った場合は、三億円を限度に、日本マンション管理士会連合会が損害補償金を給付いたします。
*不正行為とは、管理組合樣の所有する金銭に対する窃盗、強盗、詐欺、横領等の侵害行為をいいます。
本制度は、マンションの適正な管理の推進と管理組合財産の保全を図る極めて有効な制度ですので、是非、多くの管理組合様のご理解と本制度のご利用をお願いいたします。
外部管理方式を採用するマンションが増えてきていますが、はやり気になるのが、管理者による管理費や修繕積立金の使い込みです。実際今でも管理会社社員による使い込み事例は、後をたちません。マンション管理士が、管理者としてマンションを管理する場合にも、万が一同様の事故が発生しても、日本マンション管理士会連合会の認定マンション管理士が管理しているマンションであれば、1事故3億円までの補償は、日本マンション管理士会連合会で行ってもらえます。マンション管理士に外部管理を依頼する場合には、日本マンション管理士会所属の認定マンション管理士である旨の確認をお願いいたします。
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