先日開催された日管連(日本マンション管理士会連合会)の勉強会で、総会決議のない長期修繕計画は、正式な長期修繕計画ではない。という話がありました。そのため、総会決議を得ていないマンションの修繕積立金は、マンション管理計画認定制度の申請時には0円として判断されるとのことです。
以前に管理会社の担当者に聞いた話でも、5年~7年毎に実施する長期修繕計画について、総会ではなく、理事会のみで報告しているマンションも多くあるという話を聞いたことがあります。また、長期修繕計画については承認されたが、それに伴う修繕積立金値上げの議案が否決されたという話も聞いたことがあります。こうなると、長期修繕計画は、単なる絵にかいた餅になってしまいます。
先日あった相談会では、理事会から長期修繕計画は必要ないと言われたという相談もありました。この発言をした理事は、そもそも長期修繕計画を理解しているのでしょうか?修繕積立金は、何を根拠に支払っているのでしょうか?
長期修繕計画があまりにも粗雑に扱われている状況に、非常に危機感を覚えます。
国が始めたマンション管理計画認定制度においては、長期修繕計画は非常に重要な位置づけになっています。各工事項目19項目について、それぞれ内容・数量・金額が記載され、また事前に現地調査を行い、実態に併せた計画とすることが求められています。このため、簡易ソフトを使い、サービスで管理会社が作っていた長期修繕計画は正式な長期修繕計画とは認められず、そのようなマンションは長期修繕計画がないマンションに分類されてしまいます。
マンション管理計画認定制度の取得を目指して、有料でも正式な長期修繕計画を作成し、総会で決議を得ることを、理事会はしっかりと認識して欲しいと思います。
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