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執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

老いるマンション、適切管理に「お墨付き」 高齢化・老朽化ふまえ、自治体が管理不全防止へ

更新日:2024年11月22日



 2024年6月23日の朝日新聞デジタルの表題の記事を紹介します。


「住民の高齢化と、建物の老朽化。全国のマンションでは、「二つの老い」が進んでいます。住民の意識を高め、管理不全に陥る事態を防ぐため、適切に管理されているマンションを自治体が認定する仕組みが、2年前に始まっています。


■長期修繕計画や積立金の基準を満たせば「認定」、減税などのメリットも

 5月下旬、神奈川県平塚市。JR平塚駅にほど近い喫茶店に、分譲マンション「オクトピア明石町」管理組合の役員たちが集まった。

 「今日は、大きな議題はないのですが」

 管理組合は、マンション管理のコンサルタント会社と顧問契約を結ぶ。マンション管理士、中文太(あやた)さん(51)の進行で理事会が始まった。

 「隣地で工事が始まりました」「エレベーターの部品交換で、少しだけ止まる日があります」

 中さんが、一つずつ報告し、説明する。

 1983年完成のオクトピア明石町は、地上9階建て、25戸。築40年が経ち、住民も高齢化が進んでいる。

 2023年6月、このマンションは、平塚市から管理計画の「認定」を受けた。管理規約の内容、長期修繕計画や修繕積立金の状況などが基準を満たすマンションを、適切な管理がされていると自治体が認めるもので、マンションが約1万6千戸(18年)あるとされる同市で認定を受けたのは、まだここだけだ。

 認定を受けると、▽共用部分のリフォームなどで住宅金融支援機構の融資を受ける際に、金利が優遇される▽長寿命化につながる大規模修繕工事を実施した際に固定資産税が減額される、などのメリットもある。国土交通省は、市場で高く評価されることも期待できる、としている。

 「個人的には、まだ具体的なメリットは感じませんが、付加価値がついた、ということでしょうか」。管理組合の理事長を務める佐藤光男さん(72)はそう話す。

 佐藤さんが入居した00年ごろは「ぼろぼろだった」という。管理会社が倒産して交代したこともあり、管理費の滞納があっても督促もされず、未収金が積み上がっていた。収入が足らず、漏水などもあって壁紙がはがれた部屋もあったが、防水や外壁の工事もせず、排水管の掃除もされていなかったという。

 03年、管理会社が解約を通知してきた。問題が多すぎ、規定の委託料では管理を続けられない、という理由だった。管理組合は、東京都大田区のコンサルタント会社「マンション管理総研」(当時は辰巳商事)に相談。同社代表の瀬下義浩さん(62)は、マンションの問題に詳しい弁護士事務所と新たに顧問契約を結ぶことをすすめ、滞納の解消をめざした。

 当時、年間の管理費会計は収入約450万円。滞納金は、修繕積立金もあわせて500万円を超えていた。ときには法的措置を含めて滞納者を説得し、経費削減も進め、少しずつ会計を正常化した。

 滞納への対応が進むのにあわせ、排水管の清掃や、共用部の鉄部塗装、屋上の防水工事などを一つずつ実施。エントランス周辺をモップがけするのみだった掃除は、住民の美意識を高める狙いでほかの共用部にも広げ、高圧洗浄機による定期的な掃除も導入。作られていなかった長期修繕計画は、13年に作成した。

 同社への顧問料は、会計業務の委託費もあわせて、税込み月7万7千円。「『マンションは管理を買え』というのは本当ですね」。管理が市の「お墨付き」を得たいま、佐藤さんはそう話す。


■低い認知度が課題に

 国交省によると、22年末時点で分譲マンションは全国に約694万戸。築40年以上は約126万戸にのぼり、32年末には約261万戸へ増える。

 築年数が経つほど、問題も生じがちになる。18年に同省が管理組合へ行った調査では、古いマンションほど、漏水や雨漏りなどの問題や不具合が生じている傾向があった。専有部分の修繕や共用廊下などへの私物の放置といった問題をめぐってトラブルが起きているという回答も多かった。

 管理費や修繕積立金の3カ月以上の滞納が「ある」と答えたのは全体では約25%だったが、完成が「1969年以前」や「1970~1974年」のマンションでは4割を超えた。

 マンション住民の約63%は「永住」を志向している。しかし、管理不全が放置されたり、積立金不足で適切な修繕ができなくなったりすれば、住み続けるのは難しくなる。

 このため、国交省は22年4月に管理計画認定制度を始めた。住民の管理への意識を高め、自治体も実態を把握しやすくなることなどを期待している。

 ただ、認定を受けたマンションは6月21日時点で約900件にとどまる。国交省による自治体へのアンケートでは、認定制度が「あまり・まったく認知されていない」とする回答が7割を超える。

 国交省は、今後さらなるメリットについて検討を進める。マンションの防災対策などを新たに認定基準に盛り込むかどうかも検討する考えだ。(山田史比古)」


 マンションの管理で一番重要なのはお金の管理です。この記事のマンションも、滞納住戸が多かった状況から弁護士・マンション管理士の協力で滞納金額を減らし、日々の清掃や修繕を実施し、最終的には平塚市で第1号の管理計画認定制度を取得するまでのマンションに変貌を遂げました。マンション管理士事務所への月々の顧問料が7万7千円、25戸のマンションなので戸当たり月々3000円の負担で、マンションが正常化できたことになります。今後もこのような事例が増えてくるのではないでしょうか?


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