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超高層マンションの大規模修繕工事

  • 執筆者の写真: 快適マンションパートナーズ 石田
    快適マンションパートナーズ 石田
  • 2020年12月2日
  • 読了時間: 3分

更新日:2021年1月6日



 今回は超高層マンションの大規模修繕工事のお話です。一般のマンションの大規模修繕工事と比べて一番違うのは、足場になります。一般的な枠組み足場が組立可能なのは、高さ45mまで、これはマンションで言うと15階程度の高さです。超高層マンションは18階以上の場合が多く、高層部分の施工は、屋上から吊るされたゴンドラ足場で施工します。


ゴンドラ足場と枠組み足場の施工範囲の決定が大事

 超高層マンションでは下層階は枠組み足場、高層階はゴンドラ足場による施工が一般的です。どの高さまで枠組み足場で施工するかは、各建設会社によって考え方が異なります。ゴンドラ足場は強風時等は使用できないため、枠組み足場より施工性が劣ります。そのため、ゴンドラ足場だけで施工すると工期が長くなります。一方、入居者にとっては、施工中も仮囲いシートで暗くならないゴンドラ足場のほうが快適です。入居者にとっては、全フロアーをゴンドラ足場で施工してもらったほうが快適です。

 工期・コストを考慮し、また施工する作業員の数を考慮しながら、ゴンドラ足場と、枠組み足場での施工範囲を決定します。


ゴンドラ足場採用による施工方法

 ゴンドラ足場採用時には、ゴンドラ足場ならではの施工方法があります。


飛散防止ネットの設置

 一つ目は飛散防止ネットの設置です。枠組み足場の場合は、足場の外部に飛散防止ネットとしてメッシュシートを設置しますが、ゴンドラ足場の場合は、足場に設置できなため、バルコニーの上裏部分に金物を設置し、その金物にワイヤーを張って、カーテン状の飛散防止ネットを設置します。


隔板の撤去

 二つ目は、施工中のバルコニーの隔板の撤去です。ゴンドラは縦方向の移動しかできないため、バルコニー内部の施工をゴンドラで行うと非常に手間暇がかかります。この問題を解決するために、昼間の施工中は、住戸の間に設置されている隔板を撤去し、開放廊下と同じような施工ができるような配慮を行います。隔板に丁番を取り付けたり、隔板部分にジッパーで開閉できるシートを設置したりして、工事のない夜間や休日は、隣とのプライバシーに配慮する必要もあります。


ゴンドラ足場工法の一般マンションへの転用

 ゴンドラ足場工法は、工事中の圧迫感がなく、バルコニーからの眺望も遮らないとこから、超高層以外のマンションで採用されるケースも稀にあります。また、足場の組立スペースも不要なことから、駐車場の移動等が必要ないというメリットもあります。

 また隔板撤去によるバルコニー内部の施工についても、施工性がアップすることから、施工単価の引き下げにも有効です。


 他社との差別化の中で、これらの工法を積極的に管理組合に提案する施工会社も出てきて欲しいと思います。


 
 
 

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