引き続き、香川県分譲マンションデータベースからのお話です。
高齢化マンションの現状
1966年(昭和41年)に建設された労住協第1ビルが、香川県初の分譲マンションになります。香川県の初期のマンションはいずれも労住協マンションで、特に、第1ビル、第3ビル(岩井ビル)、第4ビルは築50年超の建物です。築40年程度を経過した、旧耐震マンションも約50棟あります。
日本で初の鉄筋コンクリート造集合住宅である同潤会アパートや、戦後初の分譲マンションだった「宮益坂ビルディング」も築65年前後で建替えられています。今後あと10年ぐらいで、これらのマンションをどうしていくのかが、大きな問題になってきます。
規模別内訳
香川県の分譲マンションの平均戸数は50戸です。一物件当たりの戸数が多い順に並べると第1位はイトーピア高松の449戸、第2位はダイアパレス茜町インタースクエアの227戸、第3位はツインタワー瀬戸大橋タワー31の190戸、第4位はアルファパーク栗林駅南の183戸、第5位はダイアパレス国分寺の177戸、第6位はアルファタワー桜町の164戸、第7位はサーパスシティ栗林公園イーストテラスの161戸、第8位はサントノーレ高松中央弐番館の151戸です。香川県には100戸以上の分譲マンションは現在24物件あります。また、団地を形成している物件としては、アルファシティ屋島の466戸、ツインタワー瀬戸大橋の254戸、サーパスシティ栗林公園の244戸、サントノーレ高松中央216戸、アルファパーク屋島の202戸等があります。
一方39戸以下の小規模マンションも、198物件あり、これら小規模マンションは、管理費や修繕積立金が高額になりやすい傾向にあります。
階数別分類
香川県で一番高いマンションは、31階建てのツインタワー瀬戸大橋タワー31です。その他では19階建てのアルファタワー桜町、アルファパークナード高松ザ・タワーがあり、この3棟が香川県の超高層マンションになります。超高層マンションでは、全面足場による施工は出来ず、大規模修繕工事でも、独自の工法による施工が必要になります。
15階~12階の高層マンションは135物件、11階~5階の中層マンションは340物件、4階以下の低層マンションは11物件です。
ここで、建築裏話を。階数の定義は、上記の内容が一般的な超高層~低層住宅の定義ですが、建築基準法上は別の要素で建物高さが決まっています。その高さの区分は、①10m以下②10m~20m③20m~31m④31m~45m⑤45m~60m⑥60m超の6つの区分です。
① 高さ10m以下:都市計画法で定められた第一種・第二種低層住宅専用地域で建てられる高さの限度です。階数的には3階建てまでが一般的です。低層住宅専用地域は閑静な住宅が立ち並ぶ地域であり、必然的に高級マンションが多くなります。
② 高さ20m以下:風致地区等で、高さ制限の定められている地区で定められた高さです。高松では屋島地区がこの高さ制限の定められた地域になります。階数的には7階建てまでになります。
③ 高さ31m以下:かっての建築基準法で31mを超えると、SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造にしなければならず、コストアップになることから31mまでで抑えられたマンションが多くなっています。階数でいうと11階建てになります。31mは中途半端な数字ですが、明治初期に建物の絶対高さが100尺(約31m)と定められたのが名残です。かっての東京駅前の丸の内地区は高さ31mでビルの高さが揃えられ、一丁ロンドンと呼ばれていました。
④ 高さ45m以下:高さ45mを超えると非常用エレベーターや住戸内にスプリンクラーの設置が必要になることから、大幅なコストアップになるのを避けるため、ほとんどのマンションは45m以下になっています。階数で言うと15建てです。皆さんが普段見ているマンションでも、高いと思っているマンションを見てください。ほとんどが14階または15階建てになっていると思います。
⑤ 高さ60m以下:上記の非常用エレベーターや住戸用スプリンクラーを設置してでも建設されたマンションになります。階数としては20階程度です。香川県には現在2棟のマンションがあり、階数は2棟とも19階です。
⑥ 高さ60m超:確認申請が一般の手続きと異なり、評定委員会での審議が必要となり、動的解析が必要になるなど、着工までの手続きが複雑になります。また建設できるゼネコンも限られてきます。香川県では宇多津町の瀬戸大橋タワー31の1棟のみになります。
こうやってデータベース化してみると色々と見えてくるものがあります。次回は、管理会社別の状況や、管理費・修繕積立金について見てみます。
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