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執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

10年で4割増 3955万円、住宅ローン

更新日:2022年12月5日



 2022年6月29日の朝日新聞の表題の記事を紹介します。


「今年春、転勤して数年ぶりに東京で暮らし始めた。賃貸マンション探しで感じたのは、家賃の高さ。以前に住んでいたときよりも相場が上がった印象だ。さらに新築マンション購入となれば、賃貸以上に高嶺(たかね)の花となる。賃金は上がらないのに、重くなる住まいの負担。なぜこんなに高いのか。


■一極集中、価格はバブル期超え

 住宅金融支援機構によると、首都圏のマンションを買った人の住宅ローン「フラット35」融資額は、2020年度に3955万円。東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県分の集計値で、10年度から4割増えた。手持ち資金も含めた物件購入額は4993万円で、世帯年収の7・5倍。10年度は6・1倍だった。近畿や東海も同様に上がっている。

 こうした高値、実はバブル期を超えている。不動産経済研究所によると、首都圏で昨年売り出された新築マンションの平均価格は、前年より2・9%高い6260万円。バブル期の1990年の6123万円を超え、73年の調査開始から過去最高となった。地価上昇に加え、人件費や資材費が膨らんでいることも、高値につながったという。

 さらに、立地場所の変化も価格を押し上げる。首都圏で昨年売り出された新築物件の約4割は東京23区内。90年代のバブル期は2割弱だった。駅近、複数路線アクセスなど便利な場所への選別が進む。同研究所の松田忠司さんは「都心の新築マンションは、共働きで高収入の『パワーカップル』しか手が届かなくなっている」と話す。コロナ禍で在宅勤務が広がり郊外へ移る動きもあるが、大きなうねりとはいえない。都心住まいは今なお人気だ。

 価格はどこまで上がるのか。それを探れないかと、不動産調査会社の東京カンテイを訪ねた。23区の新築マンションの平均坪単価は、08年のリーマン・ショックや11年の東日本大震災を除くと、02年を底に一貫して上り調子という。「不動産は価値が下がらない安全資産という見方が定着してきた」と市場調査部長の井出武さん。都心のよい物件を探すのは、共働き世帯だけでなく、外国人を含めた投資家の存在がある。流れ込む投資マネーも高値を下支えする。

 ただ、価格は転換点を迎えている可能性がある、と井出さんは指摘する。注目するのは、築3年未満の都心部の新築マンションを借りる際の坪賃料の変化だ。

 19年末は1万8千円、20年春は1万9千円だった。21年初めに2万円台に乗せた後は一進一退が続き、賃料が見えない天井にぶつかっている感じだという。投資家にとっては、ローンの返済額よりも高い賃料で貸せることにうまみがある。こうした動きが今後、上昇一途のマンション価格に影響してくるかもしれない。




■超低金利、身の丈超す返済も

 住まい選びは家族の姿や働き方ともかかわる。「もはや昭和ではない」のフレーズで話題となった22年版男女共同参画白書で、その姿がわかる。昭和の終盤1985年は専業主婦世帯が936万、共働き世帯が718万あった。平成の30年余りで共働きがどんどん増え、21年は1177万。今や専業主婦世帯の2・6倍だ。子の送り迎えや家事の分担を考えると、多少値が張っても共働き世帯は通勤の便利さなどを重視する。

 「月々のローン返済額は今の家賃より低いですよ」。不動産会社のそんな言葉に背中を押され、ローンを組む人もいる。超低金利とはいえ、身の丈を超す返済額で、問題を抱える人が増えないかも気になる。

 再びフラット35に関する資料を調べてみると、21年の借入時の平均年齢(41・4歳)に当初融資年数(32・3歳)を加えた完済想定年齢は73・7歳だった(マンション以外の戸建て購入なども含む全国の数値)。結婚年齢が上がり、ローンを組む期間も長くなり、完済想定年齢は20年前より5歳ほど上がった。

 定年後まで続くローンをどうするか。退職金で繰り上げ返済する人は多いが、多額の返済で老後の蓄えが大きく減ることも心配だ。

 「教育費にお金がかかったり、生活レベルを落とせなかったり。当初考えていたように繰り上げ返済できないという相談は多い」。NPO法人・住宅ローン問題支援ネットの高橋愛子代表理事はそう実情を話す。

 物件価格の上昇で近年は融資額が膨らんでいる。将来、買った不動産の価格が落ち、売却しても借金を返しきれないオーバーローンが増えることも心配という。「予期せぬ事態で収入が下がることはある。自分の資産状況をきちんと直視せず、借りている人も少なくない」と指摘する。

 借金を多くしても都心に住む人が多いのは、通勤しやすく、学びやすく、育てやすい場所に一極集中している証しといえる。バブル期超えの高値が映す住まいのひずみは何か。岸田政権は「新しい

資本主義」実行計画で、若い世代の結婚による引っ越し費用や家賃負担の軽減を掲げた。分散型社会の実現などもっと多様な住み方を後押しできれば豊かさを実感しやすくなるかも知れない。




 会社員時代に東京で単身赴任していた時に感じたのは、首都圏の家賃の高さです。衣食住の衣と食に関しては、東京は地方と変わらないか、探せば安いところもあったのですが、住居費の高さだけは異常でした。高松だと2000万円で土地付き一戸建てが買えるというと、とても羨ましがられたものです。東京のサラリーマンの給料は高いですが、半分は住居費で消えており、それを差し引くと、給料は安くても田舎暮らしの方が生活レベルは高いと思います。地方分散を進めることが、今後の日本にとっては重要な施策だと思います。

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