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執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

24時間換気

更新日:2021年11月5日



 24時間換気システムとは、換気扇を用いて居住空間の空気を室外の空気と入れ替え、新鮮でキレイな状態にする設備のことです。もともと気密性の低かった日本の住宅には、機械を用いて換気するという概念はなかったのですが、鉄筋コンクリート造のマンション等、気密性の高い住宅が出来、また建材に化学物質を含むものを使うようになるなど変化が起こり、その中で、換気性能が十分でないことが問題化しました。換気不足を原因として、化学物質とダニやホコリの影響から、めまいやのどの痛み、湿疹などのシックハウス症候群という体調不良が懸念されるようになり、住宅には新築時に24時間換気システムが必須になりました。

 24時間換気システムの仕組みとしては、給気口から外の新鮮な空気を取り込み、排気口から排出するというものです。居住空間の空気を1時間に0.5回以上(2時間で部屋中の空気が入れ替わる)、入れ替えることが基準とされています。


 2003年に建築基準法が改正され、すべての住宅に24時間換気システムを導入することが義務化されました。

 日本家屋は昔から、窓が多く外気を家の中に取り込みやすい造りになっていました。これは、日本の気候が高温多湿なことに起因します。室内に湿気が籠らないように風通しを良くする必要があったためです。しかし一方で、外気温の影響を受けやすい側面もあるため、より快適性を高めるべく高気密・高断熱化が進んだ背景があります。


 24時間換気システムは給排気の仕方によって「第一種換気」「第二種換気」「第三種換気」と3つのタイプがあります。


 第一種換気は機械で給気し、機械で排気するシステムです。例えば、第一種熱交換形換気システムでは外気を室内の温度になるべく近付けて取り込めるのが利点です。冬の寒さが厳しい北海道など、寒冷地で採用されることが多いようです。装置本体が通常の換気扇よりも高額で設置が大がかりになるなど、初期費用が高くなるというデメリットもあります。


 第二種換気は給気口だけに換気扇を設置し、排気口には換気扇を設置しない方法で、空気が入ってくる力が強く、出て行く力が弱いのが特徴です。室内が負圧にならず、気圧が高くなるため、ドアや窓を開けても外からの菌や汚染物質が入りにくいという衛生的なメリットもあります。空気の入れ換えや不衛生な物質の侵入防止を重視する工場、研究所などのクリーンルーム、病院の手術室などでよく使用されるシステムです。


 第三種換気は、給気口には換気扇を設置せず、排気口にのみ換気扇を設置する方法です。一戸建て住宅やマンションに数多く採用されており、すべての部屋に給気口が必要となります。メリットは、第一種換気より設置コストや電気代が安いこと。一方で、外気の温度がそのまま室内に入ってきやすく、給気口近くにいると冬は寒く、夏は暑く感じやすいというデメリットがあります。


 この中でも住宅に採用されることが多いのは、「第三種換気」です。

 採用の多い理由は、第一種換気システムに比べて、設置コストが安価で済むからです。億ション等の高級マンションで、全館空調システムが採用されている場合には第一種換気システムが採用されているケースもあります。


 24時間換気が義務化された2003年以前に建築されたマンションでも、お風呂場やトイレの換気扇を24時間稼働させることで、24時間換気システムと同様の効果が期待できます。この場合の注意点として、各お部屋にある給気ガラリやサッシの小窓・エアーブレス等は必ず開けておいてください。24時間換気システムはシックハウス対策だけではなく、冬場の結露対策お風呂場のカビ対策にも有効です。


 新型コロナウィルス対策としても、換気が重要だと言われています。24時間、換気扇をつけっぱなししても、月々の電気代は数百円程度、住まいの健康と、住んでいる人の健康を守るためにも、是非活用してください。


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