先日、あるマンションの理事と話していた時に、在宅避難の話が出ました。その理事の人が消防署の人と話している時に、避難所の話になったのですが、理事の人が避難所への避難方法について聞いた所、消防署の人から、「マンションの住人すべてが、避難所へ避難することは考えていない。そんなに多くの人が避難所に来ても収容スペースがない。マンションの住人は、可能な限り、自宅で避難生活を送って欲しい」と言われたそうです。
マンションは鉄筋コンクリート造で耐震性も高く、また2階以上の住宅であれば、大雨の浸水や津波被害の影響も、ほぼ受けません。
阪神大震災の折も、マンションの住民は避難所ではなく、自宅で生活しており、逆に戸建て住宅に住んでいる親類等が、マンションのお部屋に避難しているケースも多くありました。また、火災等が発生しても、耐火性が高いため、火災住戸の上下左右以外の住民は、慌てて避難しなくても、類焼するおそれは少ないです。却って、慌てて避難する方が危険だと思います。
このように災害に強いマンションですが、災害時には停電や断水のおそれがあり、対策が必要です。災害時の救援物資も届かないおそれがあり、最低3日~7日間は、自宅で非難生活を行う必要があります。
先日マンションで開かれた避難訓練では、飲み水1日一人2リットル・カセットコンロ・ガスボンベ・携帯電話充電用の蓄電池・携帯用トイレ35~50枚・家族1週間分の食料が必要との話がありました。また、あると便利な物としては、水のいらないシャンプー等がありました。
受水槽のあるマンションでは砂等が流入しなければ飲み水は確保できます。(ただし、受水槽からくみ出す設備は必要)、また最近の車ではUSBから携帯電話の充電も可能となっています。マンションとしては災害時に下水に直接流せるマンホールトイレは用意していますが、地震による液状化等で下水道が破壊されると、携帯用トイレは必要になります。また、ゴミの改修が行われないので、ゴミ袋も多く準備する必要があるとのことでした。
また避難所のように世話役や役所との連絡役がおらず、理事会が中心となって集会室等に災害対策本部を立ち上げる必要があります。在宅避難となることを前提に、避難計画を取りまとめ、「災害マニュアル」を作成することが重要になります。
緊急時の食料備蓄と併せて、個人で出来ないことは、マンション住民で力を併せて、災害に立ち向かう必要があります。また、そのための対策も事前に検討しておくことが重要です。
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