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執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

相続放棄

更新日:2022年9月27日



 6月30日にあった「令和3年度第15回全国マンション管理士合同研修会in神戸大会」でマンションの相続放棄の話がありました。築54年のマンションで、二人暮らしのご夫婦のご主人が亡くなり、その後、管理費等の滞納が発生してきた。そこで管理組合が確認した所、奥様から「相続放棄申述受理通知書」が管理組合に提出されました。


 相続放棄した方にとっては、これで手続きは終了したのですが、これを受けた管理組合は大変です。管理組合で協議の結果、相続放棄されたマンションを転売し、その代金から滞納された管理費等を回収しようと考えました。

 神戸市のマンション管理士会には、弁護士も入会していたために、それらの法的手続きを弁護士に依頼します。費用として150万円の予算を計上しました。

 弁護士はまず、他にも相続人がいないかの確認から始めます。戸籍謄本等を取得し、相続人の調査を行います。(兄弟姉妹およびその子供等)。このケースでは固定資産税も滞納しており市が滞納した固定資産税の請求を相続人におこなった結果、すべての相続人が相続放棄したようです。


 相続人が存在しない若しくは相続放棄した場合は、相続財産管理人の選任を家庭裁判所に求めます。その後は相続財産管理人となった弁護士に対して、財産処分のお伺いを立てます。

 このマンションは築54年と古かったこともあり、売買金額は管理費の滞納費用も少し上回る程度だったとのことです。結局法的手続き費用(150万円)は回収できませんでした。


 このような相続放棄問題は、今後も古いマンションで増えそうな気がします。しかし、相続放棄されるたびに、管理組合から100万超の金額を支出するのは厳しいです。国にもこのようなケースの対応方法を考えて欲しいと思います。

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