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  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

これからが本番、マンションで取り組むリバースモーゲージ

更新日:2021年11月1日



 2021年9月27日付けの廣田信子さんの表題のブログを紹介します。


「マンションで取り組む「リバースモーゲージ融資」が本格化すると、高経年マンションの居住者の意識が変わる…と思っています。

 マンションで大規模な大規模修繕工事を行う場合は、お金の問題が発生するケースが少なくありません。


・管理組合としてローンで借入れる

・区分所有者から一時金を徴収する

・修繕積立金の大幅な値上げをする


等が考えられますが、特に高経年マンションでは、なかなか合意形成がうまくいきません。年金暮らしの方が多いマンションでは、月1万円の値上げはなかなか難しいのです。管理組合として借り入れることでも、いずれ自分たちが修繕積立金として負担すると思えば、消極的になる方もいます。

でも、マンションを今後50年持たそうと思えば、この改修工事は不可欠なのです。といっても、高齢者に、50年先のことまで思いを巡らせてくれ…というのはたいへんなことです。

 住んでいるマンションが4,000万円の価値があっても、自分の暮らしは、年金の支給額の中でつつましく行っているという例も多いのです。


 でも、最近は長生き社会の結果として、自分の住まいを子供たちに残そうと考える人は減ってきています。早くに、子供たちは自分の家を持っているケースがほとんどだからです。だから、自分の生きている間に、資産を自分たちのために豊かに使おうと考える人も増えています。でも一方、多少の貯金があっても、今後、何かあったら…と考えると、預金には手を付けたくないのが人情です。

 その暮らしの中で、不便とは感じていない修繕に、大金を支出するために、月1万円の費用が発生するというのは、避けたいと思う心理が働くのも当然です。その心理を無視して管理組合運営を進めるのは、どうしても難しいのです。


 そこで、マンションの修繕積立金を自分の持っているマンションの価値からリバースモーゲージで支払う…という考え方が出てきます。


 住宅金融支援機構が開始を決めている「毎月の修繕積立金に対する区分所有者向けリバースモーゲージ融資」に対する期待が大きいです。


 高齢者(年金生活者)が多いマンションにおいて、リバースモーゲージを活用して、将来の修繕積立金に融資を行い、区分所有者の負担軽減になるという制度です。元金は当該区分所有者がお亡くなりになった時に、専有部分の売却等によって返済します。たとえは月1万円だった修繕積立金を、2倍の2万円にするという案が出ます。1万円でもきつかったのに、2万円なんてとても無理という判断も当然出ます。そこで、リバースモーゲージを利用するのです。


 20年分の修繕積立金を借り入れるとすると、2万円×12か月×20年=480万円を借り入れることになります。この制度では、毎月の支払は、利子分の4,000円(金利1.0%の場合)だけでよくなります。2万円が4,000円ですから、心理的な負担感は減ると思います。ただし、ご夫婦でお住いの場合は、自分が亡くなった後、配偶者が家を処分しなければならなくないように、配慮が必要です。お子さんたちにも、きちんと話して置くことが必要でしょう。


 そして、この制度を活用するためには、管理規約の改正等が必要になります。有効な制度ですが、実際に、規約を改正しても、この制度を利用する人は多くはないと思います。それでもいいのです。


 不安感はあっても、いざとなったら、この程度のお金は余裕がある人が多いからです。でも、いざとなったら、この家に住み続けながら資金を軽減できる…ということが大きいです。


 それが当たり前のライフスタイルになれば、前もって、大規模な再生工事を行うことにも賛成できるはずです。大規模な再生工事を考えているマンションは、最初に資金の負担をなくする手を打った方がいいと思います。


 マンションという資産を生かすことが、健全なお金の使い方だというニュアンスが広がれば、自分の持っている資産に対する考え方に違いが出ると思います。自分が作った資産は、自分が豊かに使おうという姿勢こそ重要だと思います。


 借り入額は、その時の資産価値の半分が限度ということですので、480万円を借りるのには、960万円以上の資産価値が必要だということになります。今のマンションの価値が、2千万、3千万あるようなマンションでは、有効活用ができます。マンションという資産を持っていても、修繕積立金が上がる中で、年金暮らしが決して楽ではない層もいるはずです。

 実は、この相談は、個人からではなく、マンションとして取り組みを考えている場合は、住宅金融支援機構が全面的に協力してくれるようです。この制度が広がると、高経年マンションは価値を上げることができます。マンションの未来に対する意識を変えることにも繋がります。

 積極的に、マンションの価値を活かし、それを未来に繋いでいく方法として、ぜひ、検討していただきたいと思います。」


 このような制度があることを初めて知りました。高経年マンションで、修繕積立金不足に悩んでいるマンションには有効方法だと思います。


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