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  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

高齢化するマンション 反響編・機械式駐車場:下 持てあまし撤去、増える平面化

更新日:2023年4月7日



 2022年9月15日の朝日新聞の表題の記事を紹介します。


「 車を持たないライフスタイルの広がりなどで、機械式駐車場を持てあましているマンションの管理組合は少なくないようです。解体や撤去はどうすればよいのでしょう。気をつけるべき点はあるのでしょうか。


■跡地を平置きに、維持・修繕コスト削減

 「マンションと車を取り巻く環境は、急速に変化しています」

 大手マンション管理会社・大和ライフネクストのマンションみらい価値研究所で、所長を務める久保依子さんはそう話す。

 同研究所は昨年7月、「消えゆく機械式駐車場」と題してリポートを公表した。

 同社が管理を委託されているマンションのうち、駐車場の有無が確認できる3994について調べたところ、分譲時に機械式駐車場が設置されていたのは2039だった。そのうち、すでに機械式駐車場を撤去して跡地を平面化したマンションは298あり、機械式駐車場が設置されていたマンションに対して14・6%を占めた。

 「すでに機械式駐車場の平面化工事は、特別な事例ではなくなってきている」。リポートはそう指摘する。

 年ごとの工事件数は、2009年の1件から始まってその後は増加傾向が続き、最も多かったのはともに44件に達した15年と20年だった。

 平面化した298のマンションでは、跡地を平置き駐車場にしたケースが283で大半を占めた。以下、平置き駐車場と駐輪場の組み合わせ(8)、駐輪場(3)などだった。

 機械式駐車場をすべて、もしくは一部を撤去した後、新たに設置した平置き駐車場の分を含め、駐車できる総台数の残存率を調べると、「70%以上80%未満」(26・8%)が最も多く、「80%以上90%未満」(23・8%)、「60%以上70%未満」(15・4%)の順だった。

 工事を実施した管理組合の総会議案書をもとに工事理由を調べると、「将来にわたって多額のメンテナンスコストや修繕費用がかかり、その削減をするため」「駐車場の利用者が少なく、駐車場が必要ないため」といった記載が多かったという。

 一方、工事に反対する住民の声も議案書や総会議事録などには記されていた。「中古マンションとして販売するとき、駐車場の区画数が少ないのは売買価格にマイナスでは」「平面化よりも前に、周辺住民への貸し出しなどほかにやるべきことがあるのではないか」などだった。


■使わず放置、劣化の危険性も

 機械式駐車場の平面化工事を専門に請け負う剛力建設。

 副社長の炭谷啓介さんは、「3年前に比べ、マンションの管理組合や管理会社からの問い合わせが3倍に増えています」と話す。

 同社は1995年設立。当初は機械式駐車場メーカーの協力会社として設置業務を請け負っていた。2013年から平面化工事に乗り出し、今年8月までに首都圏を中心に延べ303カ所、計1800台分の工事を手がけた。同社の工法は、機械式駐車場を解体・撤去した後、元からあるコンクリート枠(ピット)内に軽量の鉄骨の柱と梁(はり)を組み立て、その上に鋼製の床板を載せるものだ。

 費用は構造や立地などによって異なるが、3段ベッドのような構造で上下だけに動く単純昇降式の駐車場計4列(駐車可能台数計12台)の場合、解体費を含めておおむね約500万円ほど。工期は2週間程度だ。

 マンションみらい価値研究所のリポートによると、平面化にあたり、ピットを砕石で埋め戻す工法で実施した管理組合も多い。ただ、炭谷さんによると、埋め戻す場合は重さでピットごと沈み、地盤沈下の原因になることもあるので注意が必要だ。

 炭谷さんによると、機械式駐車場の解体や平面化などの費用を捻出できず、使用していない区画を放置している管理組合もある。炭谷さんは「メンテナンスせずに放置すれば、さびや腐食により事故に結びつく劣化を招く危険性がある」と指摘している。


■一定台数分の設置義務、条例ないか確認を

 平面化する際は、自治体の条例などにも気をつけたい。マンションに一定の台数以上の駐車場を設置することが条例などで義務づけられている場合、減らしたために必要な台数を下回ることもありえるからだ。

 東京都の場合、マンションなどの共同住宅に関しては、「都駐車場条例」や「都集合住宅駐車施設附置要綱」で設置台数の原則を定めている。大きくわけると、商業地域や近隣商業地域などにある一定規模以上の建物は駐車場条例の対象となり、必要な台数の計算方法は区部と市部で異なる。区部のそれ以外の地域は原則として要綱の対象になり、条例でも要綱でも、一定の条件を満たせば必要な台数を緩和できる規定がある。

 自治体によってさらに独自の要綱を定めているケースもあり、まずは地元自治体の担当部署に確認が必要だ。(井上道夫)」


 機械式駐車場は老朽化すると故障が増え、交換が必要な時期になると、交換費用が高額になることから撤去されるケースが増えてきます。この記事にもあるように、市の条例等で駐車場の付置義務があるかどうか確認し、付置義務がある場合は管理組合が市等に相談する必要があります。

組合から役所に要望を出せば認められるケースが多いです。

 また、1階ピロティ等にピット式で設置されている場合は、土等で埋め戻すと建物の重量が増し、杭等が持たなくなるおそれもあるため、この記事にあるような鉄板等でフタをする等の方法で、建物重量を増加させないような対策が必要です。


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