足場設置のための壁つなぎ部分のタイルを張り替えたくない場合に対応できる工法を先日、メーカーの担当者の方から伺いました。
手順1
まず、壁つなぎ用の穴あけはタイルの中心部に、無振動・低振動ドリルを使用して行います。無振動ドリルとは、コンクリートコアの穴あけに使用するダイアモンドコア抜き機の小口径版です。一般のコンクリートドリルとは異なるので、専門の業者でないと、一般のとび業者による施工は難しいかもしれません。
手順2
その穴部分に、壁つなぎアンカーを打ち込み、足場つなぎを設置します。
手順3
足場つなぎ撤去時には、タイルと同系色のキャップを穴に埋め込み、復旧完了です。
上記の方法は費用はかかりますが、タイルの張替えで、美観を損ないたくという要望の強い美術館や病院等で採用されている工法だということです。美観重視の建物では、タイルも張替えを行わず、タイル1枚・1枚に穴を開けて、アンカーピンで補強する工法がとられています。その工法の延長ということであれば、採用しやすい工法かもしれません。
足場つなぎの施工にはタイルの張り替えしかないと思っていましたが、話を聞いて、目からウロコでした。マンション改修の一般常識しか知らなかった身としては恥ずかしい限りです。文化財の改修等を多く手掛けている大手ゼネコンの現場ではたぶん普通に使われている工法でしょう。今後も視野を広げて、色々な工法の知識を身につけたいと思います。
この工法は、高級マンションの大規模修繕工事では、提案可能な改修工法だと思います。
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