今回はマンションの駐車場に関するお話です。
マンションの駐車場代は何に使われているのか?
皆さんは月々払っている駐車場代が何に使われているかご存じですか?標準管理規約では「駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等に関わる使用料は、それらの管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる。」と書かれています。
駐車場代金は、本来は修繕積立金として積み立てる費用ですが、ほとんどのマンションでは管理費を安く見せる目的で管理費に充当されています。全戸駐車場付きのマンションであれば問題ないですが、駐車台数が少ないマンションでは、駐車場を借りている人だけが、多くの管理費を払っていることになっています。また高齢化に伴って駐車場利用者が減ってくれば、管理費が不足する事態も考えられます。
新築のマンションで駐車場代0円で売っているマンションもありますが、その分管理費が高かったり、修繕積立金が少なかったりしており、逆に駐車場を借りない人のデメリットが増えているだけで、結局そこに住む人にとってのメリットはありません。
機械式駐車場の問題点
新築マンション分譲時は駐車台数にこだわって作られることが多い機械式駐車場ですが、マンション入居者も高齢化してくると、駐車しにくいこともあり機械式駐車場の空きが目立ってくるケースがあります。ここで気をつけていただきたいのは、機械式駐車場の維持費です。平置き駐車場と違って機械式駐車場には1台あたり年間1万円超の維持費がかかります。また、耐用年数は20年程度であり、新しく新設することになれば、1台あたり100万程度の費用が必要です。新設費用+年間維持費を20年間で割ると、1台あたり1か月5000円の費用がかかる計算になります。機械式駐車場に空きがなければ問題ありませんが、半分程度空いているのであれば、撤去して平置きに変更することをお勧めします。子供の事故の危険性や、大雨時の車の水没事故等も考えると、積極的に増やしていくメリットは考えられません。
今後の駐車場への提案
今後の駐車場については、管理組合に検討していただきたい項目として、以下の4点を提案します。
提案1 電気自動車対応
日産や三菱が電気自動車を発売したり、トヨタやホンダがPHV(プラグインハイブリット)の車を販売したりと、今後も電気自動車が増えてくることは確実です。駐車台数の半分でもいいので、共用部分から200Vの電源を引き、充電用のコンセントを設置することをお勧めします。電気代込みで、一般区画よりも2000~3000円程度高い駐車場料金を設定すれば、計量器を設置する必要もなく、設備も簡単に設置できると思います。
提案2 カーシェアリングの採用
高齢化が進んでくると通勤で車を使う人も減ってきて、買い物とかちょっとした用事で車を使用したいというニーズも増えてきます。そのために新しく車を買うのではなく、1台の車を複数人でシェアするほうが効率的です。マンション入居者だけでなく、近隣住民も利用可能なカーシェアリングを設置すれば、管理費の収入アップにもつながります。また、駐車台数の削減にも有効です。
提案3 来客用駐車場のコインパーキング化
来客用駐車場のあるマンションでは、いつも同じ人が駐車している等のクレームも多く発生します。それを防ぐ目的で、来客用駐車場スペースにコインパーキングを設置することをお勧めします。
提案4 空き駐車場の外部貸
もっと駐車場が空いてくれば、外部の人に駐車場を貸し出すことも検討しましょう。管理組合が営利事業を行えば、税金の申告等が発生し面倒という組合もありますが、すでに屋上に携帯電話のアンテナ等を設置している管理組合も多くあります。最近の管理組合でうまくいっている管理組合は経営感覚に優れた理事長や理事会が、マンションの施設をつかって収益事業をおこない、組合会計が良くなっている組合が増えてきています。
これからの管理組合は、管理費収入だけに頼るのではなく、他からも収入を増やして、そこから得た利益を、入居者サービスに還元していくことが求められています。その結果、入居者の満足度も上がり、借り手希望者も増え、資産価値のアップにもつながります。
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