一般的なマンションの管理組合の口座には収納口座と保管口座という2つの口座があります。マンションの組合員は、管理費・修繕積立金・駐車場代・水道代等を自動引き落としで毎月引き落とされます。その引き落とされたお金は、管理組合の収納口座に保管されます。
管理会社に支払う管理委託費、水道代や電気代、備品購入の雑費、保守点検費用、小修繕費用等を引き落し、残ったお金が収納口座から保管口座に移されます。
収納口座については、管理会社によって、管理会社名義の場合と管理組合名義の場合がありますが、保管口座については管理組合名義とされており、通常は印鑑を理事長が持っているため、管理会社だけでは引き出しができないようになっています。これは、かつて管理会社のフロントマンがマンションの修繕積立金等を使いこむ事件等が発生していたためにとられた処置です。現在では、収納口座の残高だけが引き出されるリスクがありますが、その保全措置についても保証協会を利用するように義務付けられています。
今回の話はその保管口座についての話です。マンションの会計には一般会計と特別会計があり、その2つについては分けて管理しなければならないと管理規約に定められています。毎月払っている費用の中で修繕積立金が特別会計であり、その他の費用が一般会計として管理されます。収納口座には、この2つのお金が混ざって振り込まれるのですが、保管口座では本来であれば保管口座(一般会計)と保管口座(特別会計)の2つの口座に分けて振替が行われるべきだと思います。
私の住んでいるマンションもそうなのですが、保管口座に一般会計と特別会計のお金が混ざって保管されていると、監査の時に、それぞれの金額の合算額を計算して監査を行わなければなりません。また、管理費や修繕積立金の未収金が発生していると、未集金額も控除して監査しなければいけないので、結構面倒なことになります。ペイオフ対策で、口座が複数あると、その作業だけでも結構大変なことになります。
ちなみにネットには以下のような記事もありました。
Q.決算書は管理費会計と修繕積立金会計に分けていますが、銀行の手続きが面倒なので通帳を一緒にしたいのですが、ダメなのでしょうか?
管理費会計のお金と修繕積立金会計のお金が同じ金融機関の同じ預金口座に預けた場合、管理費会計のお金が5万円しかなくても、修繕積立金のお金が500万円あれば、同じ口座には505万円あることになります。一時的に管理費会計の支払いのための20万円を引き出すことができて便利じゃないですか?
A.マンション標準管理規約では、「修繕積立金を管理費とは区分して経理する」とあり、管理費と修繕積立金のお金を別々の口座に保管する必要があります。管理組合のお金に限らず、性質が異なる2種類のものを、間違いなく、正しく、分けて管理するには、最初から最後まで別々にしておく必要があります。
管理費会計のお金と修繕積立金会計のお金を別々の口座に保管していると、修繕積立金会計から管理費会計の支払いのための20万円は引き出せません。預金の残高以上にお金は使えないことになり、管理費会計の支払いのために、修繕積立金会計のお金を引き出してしまうなどの間違いは防止できます。繰り返しになりますが、管理費は管理費として、専用の口座に保管して、管理費会計の支払いだけにお金を使います。修繕積立金は修繕積立金として、専用の口座に保管して、取り崩してよい場合にだけお金を使います。区分経理することで、お金の流れが分かります。
管理費と修繕積立金をそれぞれ専用の口座に分けていると、決算書を見なくても、預金の残高をみれば、現在の管理費会計の残高が分かり、積立てられた修繕積立金がいくらあるかが分かります。
私のマンションは団地型のマンションなのですが、団地管理組合は収納口座も一般会計と特別会計に分けられ、尚且つ保管口座も一般会計と特別会計に分けられており、管理組合は計4つの口座を持っています。規約に記載されている一般会計と特別会計を分けて管理するという意味では、この方式が本当なのではないか?と思ったりします。
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