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  • 快適マンションパートナーズ 石田

修繕積立金のペイオフ対策

最終更新: 7月16日



 修繕積立金の額は、1,000万円を超えることが多いため、保管に関しては「ペイオフ対策」を検討する必要があります。ペイオフとは、万が一金融機関が破綻した場合に、預金者一人に対して1,000万円までの元本とその利息までしか保護されない制度のことです。

 銀行にお金を預け入れるいわゆる「預金」にはリスクはない、一般的にそう思われがちですが、預入先の銀行が経営破綻等してしまった場合、預け入れていたお金が全て戻ってくるという保証はありません。

 預金にはペイオフという保険制度があり、預け入れ先の金融機関に何かあった場合でも預金者のお金は保護の対象となるのですが、実はそれには一人当たりの上限額が決まっていて、1,000万円までしか保証されていないのです。

 このペイオフ制度による保証は1つの金融機関につき1,000万円までなので、1つの銀行に複数の口座がある場合は、全ての口座の預金額を合算した上で計算することになります。


対策1:決済用普通預金に変更

 決済用普通預金とは、預金の全額が保護される普通預金です。決済性預金口座に修繕積立金を保管することで、万が一金融機関が破綻しても1,000万円以上の分について全額が保護されます。決済性預金口座には利息が付きませんが、現在では、普通預金口座の利息も微々たるものですので、決済性預金に変更することも有効といえます。

 決済用預金とは「無利息、いつでも引出しできる、決済サービスを提供できること※」という3要件を満たすもので、簡単に言うと当座預金や利息のつかない普通預金のことをいいます。

 決済用預金はどれだけお金を預けても利息は付かないのですが、その代わりに預け入れた全額が保護の対象となります。

 管理組合の口座を決済用預金に変更する手続きを一度しておくだけで、その管理組合のペイオフ対策は完了したといっていいので、それ以降は口座の金額がいくら増えようと無用な心配をする必要はありません。

 定期預金に預けても低金利の今ではたいした利息は付きません。ケチな利息のためにあれこれと考えるよりも、さっさと決済用預金にしてしまうのが最も簡単な方法です。


対策2:複数の金融機関に口座開設

 1つの金融機関に1,000万円を超える預金は保護の対象とならないため、複数の銀行に定期預金口座を開設します。普通預金よりは、利息を多く受け取れますが、デメリットとしては、複数の金融機関の扱いになるため、理事長の交代時に代表者変更手続きが面倒になる他、残高証明書の発行手数料などの費用負担が増します。

 この方法は従来からある基本的なペイオフ対策ですが、実務の面では非常に面倒です。預金の金利は、せいぜい0.03%程度しかありません。つまり1,000万円を1年定期預金にしても、利息が数百円くらいにしかならないということです。

 大型のマンションでは修繕積立金が1億を超すこともざらにあります。10行以上に定期預金することを考えると、小規模なマンションならまだしも、ある程度戸数のあるマンションで口座を分散していく方法は手間がかかる方法になります。


対策3:「マンションすまい・る債」で運用

 「マンションすまい・る債」は住宅金融支援機構が発行する債券ですが、その成り立ちから運用面では比較的安全といえます。預金以外で修繕積立金の預け先の有力な候補となるでしょう。住宅金融支援機構が国の認可のもとに年に1 回発行する債券で、管理組合はこれを購入します。金融機関に比べると金利が高く、毎年利息を受け取ることができます。10年間、継続的に積み立てることが前提ですが、債権を中途換金しても元本割れはありません。

 その特徴として、普通に銀行に預け入れるよりも金利が良い(2020年度10年満期時年平均利率0.08%)、国の認可を受けている商品なので安全性が高い、マンション管理組合しか買えない債券(個人では買えない)という点が挙げられます。

 注意が必要なのは、他の債券と比べても安全性が高い商品とはいえ、政府保証はないので元本割れが生じる可能性が0ではないという点です。


対策4:共用部分の管理組合向け積立保険

 マンション管理組合の共用部分向けの保険には「積立型」と「掛捨て型」があります。掛捨て型の損害保険に加入している場合には、積立型の保険に変更する方法もあります。積立型の保険は、契約満了時に満期返戻金が支払われますが、万が一保険会社が破綻した場合には元本は保証されません。


まとめ

 大きなマンションになると修繕積立金は1億円以上になります。組合員の大事な資産なので、安全に管理することはもちろん重要ですが、ある程度のリスクがあっても、運用益が見込まれ比較的安全な国債の購入や債券(マンションすまい・る債)を購入することも考えていいのではないかと、最近は思います。最近は個人年金も株式で運用するサービスがありますが、マンションの修繕積立金についても、利率のよい運用を提案するサービスが今後出てくるのではないでしょうか?


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