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区分所有法見直し

執筆者の写真: 快適マンションパートナーズ 石田快適マンションパートナーズ 石田


 現在、国では区分所有法の見直しが検討されています。

 見直しのテーマは「老朽化したマンションの増加」と「区分所有者の高齢化」です。土地等の不動産において、相続をきっかけとした所有者不明問題が出てきていますが、マンションでも同様に、専有部分の価値が低かったり、相続人が分からなかったりして、相続登記がなされないという事態が発生しています。

 所有者不明住戸が増えてくると、建て替え等の5分の4以上の賛成が必要な決議ができないおそれがあります。例えば50戸のマンションで11戸の住戸の持ち主が不明になると、絶対に建て替えが出来なくなります。

 そこで、区分所有法の見直しでは、不明となった区分所有者の議決権を決議の母数(定数)から除外することが考えらえています。先ほどの50戸のマンションのケースでは、不明住戸が11件あるので、議決権総数は39戸となり、その5分の4の32戸の賛成があればマンションの建替えが可能となります。

 また大規模災害等でマンションの外壁が崩落した場合、現在の規定では崩落を防ぐための工事を行うためには4分の3以上の賛成が必要ですが、これを過半数でも工事可能なように改正することも議論されています。

 改正の目玉としては、建て替え要件の緩和があります。現在マンションを建て替えるためには5分4以上の決議が必要ですが、これを4分の3とか3分の2の賛成で可能にする案も検討されています。ただ、単純に賛成に必要な割合を減らすべきという意見の他に、築50年以上というような建築からの年数を定めるべきだという意見や、建物が危険な状態に限る等の条件を付けるべきだという意見も出てきています。

 その他では、マンションが老朽化した場合にマンションを解消する制度は現在の区分所有法にはないため、民法の規定に基づき全員合意が必要ですが、全員同意を取ることは事実上不可能です。これらを多数決で可能とすることで、建物・敷地をまとめて第三者に売却することや、建物を取り壊して、別の用途に活用することも可能となるよう変更することも検討されています。


 区分所有法の改正は、本格的な議論が始まったばかりですが、今後も注意して見ていく必要がありそうです。


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