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執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

壁つなぎについて

更新日:2020年11月25日



 皆さんは壁つなぎと聞いて何のことだかわかりますか?

 壁つなぎとは、建物を建てる時に必要な足場を、建物から支持する金物です。壁つなぎがないと、足場がグラグラしますし、台風等の強風時には,倒壊するおそれがあります。壁つなぎの間隔は、労働安全衛生規則570条に垂直方向5m以下、水平方向5.5m以下と定められており、足場でいうと2層3スパン置きに設置が必要です。

 大規模修繕工事の足場にも、当然壁つなぎが必要であり、足場を組み立てながら、2層3スパン毎に、タイルを剥がしドリルで躯体に穴を開け、金属製の足場アンカーを躯体に打ち込み、そこから壁つなぎ金物で足場を固定していきます。そのため、タイル貼りのマンションでは、タイルに浮き等がなくても、2層3スパン毎に、壁つなぎアンカーの後を隠すために、タイルの張り替えが必要になります。

 大規模修繕工事が完了したマンションを良く見てみると、この壁つなぎアンカー後のタイルの張り替え跡が、わかるマンションもあります。

壁つなぎアンカーはステンレス製を使用

 壁つなぎアンカーは、躯体に打ち込んだままになり撤去しません。そのため後々のサビ等も考慮して、スチール製ではなくステンレス製とすることが重要です。価格は若干高くなりますが、施工会社には、ステンレス製を使用するように、指導しましょう。

壁つなぎ補修によるタイルの張り替えを少なくする方法

 枚数が少ないとは言え、タイルを張り替えると元のタイルとは色があわず、美観を損なうおそれがあります。タイルの張り替えは出来るだけ避けたいものです。壁つなぎ補修のための、タイル張替えを少なくするための方法を以下に示します。


その1:塗装面に壁つなぎアンカーを打設

 バルコニー部分等で、タイル張りの周囲に塗装面があるマンションでは、塗装面に壁つなぎアンカーが設置できないか検討しましょう。塗装面であれば、補修範囲も少なくなり、施工後に目立つおそれもありません。


その2:ハサミ金物の採用

 手摺壁を挟みこむ金物(クランプ)を使用して、壁つなぎ金物を設置する方法もあります。ハサミ金物を利用した場合は、壁つなぎアンカーの打ち込みが不要なため、タイル張替えは発生しません。


その3:天井面や内壁面に壁つなぎアンカーを設置

 壁つなぎ金物が長くなりますが、廊下やバルコニーの内壁が塗装の場合等に検討できます。また、最近のマンションは、デザイン性が優先され、手摺全面がガラス手摺等で覆われているマンションもあります。パネル持ち出しタイプの、全面手摺のマンションでは、バルコニー手摺から、一切壁つなぎ金物が取れないため、天井面(スラブ下)や内壁から壁つなぎをとる必要があります。

まとめ

 小さなことですが、足場つなぎ一つ取っても、施工会社によって施工方法はさまざまです。細かいことですが、建物の後々のことを考えて、施工に工夫する施工会社が良い施工会社だと思います。

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