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大規模修繕工事の工事監理業務とは

更新日:2月4日



 大規模修繕工事のコンサルタントを行っている管理組合の理事の方から、工事監理とはどのような業務を行うのか具体的に教えて欲しいとの要望がありました。建築を良く知らない方も多いと思うので、以下に説明したいと思います。

 まず「工事監理」の定義から、ネットで「工事監理」と検索すると

工事監理(こうじかんり)とは、その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認することをいう。(建築士法第2条7より引用)

 まぎらわしいが、監理とは別に管理も存在する。工事管理は施工者が現場を運営する業務でいわゆる現場監督がそれを行う。監理は建築士が行い、管理は現場監督が行う」

という文章が出てきます。大規模修繕工事では設計図書に該当するのは「仕様書」と「数量明細」であり、その内容の通りに施工会社により工事が実施されていることを、施主に替わって監理することになります。


具体的な施工監理の内容は以下の項目です。


1、施工計画書の内容確認および承認

 施工会社は仕様書に基づいて施工計画書を作製します。施工については施工計画書に基づいて実施されます。施工計画書が仕様書通りに作成されているかを確認し、承認することで、施工者に、施工計画書に基づいた工事を実施させます。


2、実数清算の数量確定および予算管理

 工事が着工し、足場が完成すれば即座に、建物のマーキング検査という建物現状調査が実施されます。目視や打診によって劣化状況が診断され、スプレーやテープ等で、劣化および補修範囲が明示されます。それらを基に劣化分布図が作成され、補修数量および補修金額が算出されます。 施工会社から提出されたそれらの数量および金額を査定し、理事会に報告するとともに、施工範囲を確定いたします。補修数量が予定数量よりも増えた場合には、開放廊下やバルコニーの内壁部分等、タイルが落下しても重大な事故にならない部分については、工事範囲から除外する等の予算調整の提案を、管理組合に行います。


3、各種検査への立会い

 施工会社は各工程毎の工事完了後、次工程への着手前に、工事が間違いなく実施されているかどうかの検査を実施します。本来であれば施主である管理組合が各工程毎の検査に立ち会いますが、平日昼間の検査に立ち会うのは困難です。管理組合の代理人として検査を実施し、合格・不合格の判定を行います。


4、定例会への参加

 現場では、月に2~4回程度、定例会を開催し、現場の進捗状況および問題点等の討議を行います。管理組合の代理人として、それらの定例会に参加し、現状把握および意思決定が必要な場面では意思決定を行います。


5、理事会への報告

 3か月に1回程度開催される理事会に出席し、工事状況の報告および理事会の意思決定が必要な場面では、意思決定のお願いを行います。


6、足場解体前検査の実施

 足場を解体すると、外壁部分やバルコニー側への立ち入りが実質出来なくなります。足場解体前検査にて、それらの部分に残工事がないかの確認と、間違いなく工事が行われている旨の出来形検査を実施します。


7、建物完了確認会への参加

 すべての工事が完了すると施主検査を行い、指摘項目があると手直しが完了したことを確認して、工事完了報告書に理事長がサイン押印することで、引渡となります。施主による工事完了確認会に参加し、理事会のフォローを実施します。


8、引渡書類の内容確認

 工事の完了にあわせて、施工品質記録・施工中写真・保証書・補修範囲図等の引渡書類が施工会社から提出されます。管理組合に提出される前に、その提出書類の内容を精査します。


9、工事金額の増減工事の査定

 工事完了に際して、見積もりの実数清算部分や、工事内容変更部分・追加工事部分等を含んだ、工事費の増減が発生します。管理組合の代理人として、それら増減工事の査定を行い、最終工事金額の決定を行います。


10、施工監理報告書の管理組合への提出

 すべての工事が完了し、書類の引渡等も終わった段階で、施工監理の実施内容の概略を記載した施工監理報告書を作成し、理事会に提出いたします。


 以上のような業務を行うことで、管理組合の業務の軽減と、専門家でなければ判らない工事内容の確認を実施するのが、大規模修繕工事を工事監理するコンサルタントの主な役割になります。

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