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大規模修繕工事瑕疵保険とは

更新日:2021年11月30日



 マンションの大規模修繕工事に係る瑕疵担保責任保険については、住宅瑕疵担保履行法をはじめとした住宅瑕疵に係る消費者保護の政策の一環として、2010(平成22)年から国土交通大臣指定の住宅瑕疵担保責任保険法人により提供が開始されました。

 保険会社としては、住宅あんしん保証・住宅保証機構・日本住宅保証検査機構・ハウスジーメン・ハウスプラス住宅保証の国土交通大臣の指定を受けた5社があります。

 保険の対象となる大規模修繕工事において工事を実施した部分に瑕疵があった場合に請負人である修繕工事業者(被保険者)が発注者に対して瑕疵担保責任を負担することによって生じた損害について保険金が支払われます。また、被保険者が倒産などの事由により瑕疵担保責任を履行できない場合には、発注者に対して直接保険金が支払われます。


·保険金の支払い対象:①修補費用(※)、②調査費用、③仮住居・転居費用等 (※)大規模修繕工事を実施した部分のうち、構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分、給排水管路部分、給排水・電気設備部分、手すり等の鉄部等に係る瑕疵が発見された場合の修補費用(対象部分は保険商品によって異なる)

· 保険期間:1~10年(対象部分等によって異なる)

· 保険金額:1,000万円~5億円(請負金額等によって異なる)

· 免責金額:10万円

· 填補率:事業者(大規模修繕工事業者)へは80%、発注者(管理組合等)へは100%(事業者倒産等時)

· 保険料:個々の保険法人が設定(請負金額等によって異なる)


 この保険のメリットは、以下の3つです。


1.施工会社の倒産リスク

 屋上防水には10年間の漏水保証が付帯しますが、保証期間中に経営が傾き倒産してしまう可能性はゼロではありません。漏水保証が付帯されても施工会社が対応出来なくなってしまっては保証の意味がありません。保証とは別に保険に加入しておくことにより、施工した会社が保証をできない状況になったとしても安心です。


2.瑕疵の判断に関するトラブル

 管理組合と施工会社で瑕疵かどうかの判断が分かれる場合です。施工会社の立場では、大規模修繕完工後のアフター対応に要する費用は出来るだけ抑えたいと考えています。

 もちろん、大規模修繕の費用の中にアフター対応に要する経費も見込まれているので、明らかに保証しなければならない事案では会社の信用問題にも関わるため、補修対応を速やかに実施するでしょう。しかしながら、アフター対応をすべきか否か微妙な事案というのもあります。

 このような事案の場合、保険が適用されれば、対応費用が保険金で賄われるため、スムーズな補修工事の実施が可能です。


3.事故調査費用が支払われるメリット

 漏水などの事故が発生した場合、最初に行われることは「どこに原因があるのか?」です。大規模修繕で施工した範囲に問題があるのであれば保険や保証の対象となりますが、施工範囲外の部位が原因の場合はもちろん保険や保証の対象外となります。

 この「どこに原因があるのか?」という原因調査をするには費用がかかります。

 漏水事故であれば散水や水張によって水が入る箇所を探す調査方法もありますし、炭酸ガスなどを用いて水が通る経路を探す調査方法もあります。漏水事故が発生したとき、居住者や管理組合は被害者ですので、被害者側が調査費用を支払うことについて疑義を感じてしまいます。最終的に大規模修繕に関わる部位と原因が特定できれば良いのですが、実際には原因が特定できないケースもあります。

 この瑕疵担保保険には、事故原因の調査費用が保険内容に含まれています。

 これがあることによって、事故が発生したときには費用に関する心配が少なくて済むのでスムーズに事故原因の調査を始めることができます。

 漏水やタイルの剥落など緊急性を要するケースもありますので、管理組合としてスピード感をもって対応できるのは大きなメリットです。


まとめ

 大規模修繕工事瑕疵保険は保険会社からマンション管理組合(発注者)に直接保険金が支払われるので、施工会社と話が付かなくても、また施工会社が倒産していても支払いを受けることが出来ます。また調査費用についても支払われるため、施工会社への責任追及も容易になります。

 大規模修繕工事の入札条件として、施工会社にはこの保険への加入を義務化することを是非お勧めします。


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