top of page
  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

意外と認定ハードルの高い「マンションの管理計画認定制度」

更新日:6月1日


 先日、国土交通省のホームページに、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律 第5条の3に基づくマンションの管理計画認定に関する事務ガイドライン」が掲載されました。このガイドラインに基づいて、「マンションの管理計画認定制度」の認定が実施されるようですが、内容を見てみると結構認定ハードルの高い項目があったりします。特に、認定ハードルが高そうと思ったのは、以下の2点です。


① 組合員名簿、居住者名簿が備えられているとともに、1年に1回以上は確認・更新を行っていること

 私のマンションには組合員名簿・居住者名簿はありますが、毎年の更新は行っていません。また、私が組合顧問になっている管理組合では、居住者名簿がない状態です。名簿の整備が行われている管理組合はそこそこあると思いますが、毎年確認・更新が行われている管理組合は少ないと思います。


② 修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと

 評価する基準としては「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」に示された金額の目安の下限値が採用されており


地上20階建て未満の場合

Ⅰ:建築延床面積5,000㎡未満で専有㎡あたり修繕積立金が235円以上

Ⅱ:建築延床面積5,000㎡~10,000㎡未満で専有㎡あたり修繕積立金が170円以上

Ⅲ:建築延床面積10,000㎡~20,000㎡未満で専有㎡あたり修繕積立金が200円以上

Ⅳ:建築延床面積20,000㎡以上で専有㎡あたり修繕積立金が190円以上


とされています。建築延床面積5,000㎡は、ファミリーマンションだと約60戸になります。60戸以下で修繕積立金が235円以上、60戸から120戸で170円以上、120戸から240戸で200円以上、240戸以上で190円以上の修繕積立金が必要です。


評価のための計算式も示されおり

月当たりの修繕積立金の平均額=(A+B+C)÷X÷Y

A:計画期間当初における修繕積立金の残高

B:計画期間全体で集める修繕積立金の総額

C:管理費の残額や専用使用料から繰り入れる総額

X:マンションの総専有面積

Y:長期修繕計画の計画期間(か月) 最低30年間なので30×12=360


実際に、私の住んでいるマンションで計算してみました。

竣工年:1992年(築29年) RC7階建て 96戸 延床面積 8554.55㎡ 総専有面積(X) 7,299.07㎡ 月々の修繕積立金:150円/㎡ 修繕積立金残高(A):124,442,868円 一般会計からの繰越金(C):年間約300万円


実際に上記式に当てはめてみると

(1億2400万円+150円×7229×360+300万円×30)÷7299÷360=6億400万÷7299÷360=230円/㎡

となりました。

 戸数が大きかったため、Ⅱエリアの170円以上はクリアーできましたが、戸数が小さいⅠエリアのマンションであれば、235円を下回るため、NGとなります。

 また、築29年でありながら、2回目の大規模修繕工事をまだ実施していないため、修繕積立金の残高が多かったことも幸いしたように思います。大規模修繕工事実施直後のマンションであれば、月々の修繕積立金が170円以上でなければ、認定は難しいかもしれません。

 機械式駐車場のあるマンションでは、さらに別途追加で修繕積立金が必要になります。

 私がいま大規模修繕工事のコンサルタントを行っているマンションは築25年で修繕積立金は125円/㎡です。59戸で延床面積が4487㎡であり、この基準を満足するためには、110円/㎡(72㎡で7920円)の値上げが必要になります。


 「著しく低額ではない理由書」を添付すれば認められるとありますが、どのような理由書があれば良いのか、もう少し緩和措置を考えて欲しいと思います。


閲覧数:244回0件のコメント

Comments


bottom of page