
大規模修繕工事等で施工会社を比較する時に、どのように比較したら良いですか?とたまに聞かれることがあります。その時には、経審の点数で比較するとうですか?と答えることがあります。
経審(ケイシン)とは経営事項審査の略語で、審査基準日時点での建設業者の経営状態や経営規模を数値化し、客観的な評価を下す審査です。経審を受けた建設業者は、総合評定値が記された「総合評定値通知書」を取得できます。公共工事の発注者は「総合評定値通知書」の提出を入札参加の要件にしています。これは、公共工事への入札参加を希望する建設業者は経審を受けるよう、1994年に改正された建設業法で義務づけられたためです。また、公共工事の発注者である官公庁は、総合評定値通知書に記載された「総合評定値」を基準に建設業者のランクを認定します。ランクにより入札に参加できる公共工事の発注予定価格の範囲が決定するため、建設業者にとって重要な審査です。広く公共工事で利用されている制度であり、信頼性と公平性があります。
このように経審は、建設会社の「経営状況」、「経営規模」、「技術力」等を公平に比較できる制度であり、大規模修繕工事の業者比較にも利用できます。
経審によって評価された点数を見る際に、一番重要なのが「P点」です。P点は総合評定値といわれ、「土木一式工事」「建築一式工事」など工事種別ごとに点数がつきます。この点数が業者としてのいわば「総合成績」です。X1点、X2点、Z点、Y点、W点といった、詳細な評価項目を合計して算出されています。経営事項審査は、工事業者の技術力や信頼性を確認できる重要な評価軸です。
総合点(P点)の最高得点は2143点、平均点は700点です。経審の結果は建設業情報管理センターの公式ホームページから誰でも確認できるため、大規模修繕工事の業者を選定する時には必ず確認しておきましょう。
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