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民法改正:契約不適合責任

更新日:2月17日



 2020年4月1日施行の改正民法により、従来「瑕疵担保責任」として規定されていたものが「契約不適合責任」と改められました。契約不適合責任とは、売買契約などにおいて、売主が引き渡した目的物が契約内容と違っていた際に、売主にその責任を負わせる法律です。


 従来の瑕疵担保責任では、売主が責任を負うのは「隠れた瑕疵」、つまり売主がその瑕疵の存在について善意無過失である場合に限られていました。  しかし、民法改正後の契約不適合責任に関するルールは、売主の認識がどのようなものであったかにかかわらず適用されます。


 従来は、瑕疵担保責任を負う売主に対して、買主は「損害賠償請求」または「契約の解除」の2つの主張ができるにとどまりました。

 しかし、改正後の民法では契約不適合責任を負う売主に対しては、買主は上記の2つに加えて、新たに「追完請求」「代金減額請求」を行えるようになりました。


1. 損害賠償請求

 目的物に契約不適合があった場合、通常の債務不履行責任の規定に従って、売主に対して損害賠償を請求できます。

 

2. 契約の解除

 契約の解除についても、通常の契約解除の規定に従って行うことができます。

 解除の理由によって、事前に売主に対する履行の催告が必要な「催告解除」と、催告不要の「無催告解除」の2つに分かれます。


3. 追完請求

 今回の民法改正によって、契約不適合に関する請求として新たに追加されたのが「追完請求」です。追完請求とは、簡単にいえば 「契約どおりのものを改めて引き渡すように請求する」ことをいいます。  追完の方法としては、以下の3つが認められています。

(1)目的物の修補 (2)代替物の引渡し (3)不足分の引渡し


4. 代金減額請求

 民法改正によって追加されたもう一つの救済手段が、「代金減額請求」です。

 代金減額請求を行う際には、その前に相当な期間を定めて履行の追完の催告をしなければなりません。そして、その期間内に履行の追完がない場合には、不適合の程度に応じて代金の減額を請求できます。

 履行の追完を受ける見込みがないことが明らかである場合には、例外的に履行の追完の催告を要することなく、直ちに代金減額請求を行うことが可能です。

 代金減額請求は、不適合について売主の帰責性がない場合にも行うことができます。  ただし、買主に不適合に関する帰責性がある場合には、代金減額請求を行うことはできません。


 目的物が契約に適合していないことについて、売主が善意無重過失の場合には、買主が不適合を知った時から1年以内に、売主に対して不適合の存在を通知する必要があります。この通知を怠った場合、買主は売主に対して、損害賠償請求・契約解除・追完請求・代金減額請求のいずれも行うことができなくなってしまいます。

 不適合について売主に悪意または重過失が認められる場合には、上記の期間制限は適用されません。

 中古住宅売買時の欠陥保障が、この契約不適合責任に該当します。従来の「隠れた瑕疵」以外の不具合についても補償の対象となること。対処方法が2つから4つに増えたこと、および請求期間が不適合を知ってから1年以内に通知すれば、権利の行使はいつでも良いことが主な改正点です。

 ただし、この契約不適合責任は任意規定です。契約当事者が合意すれば免責できることも覚えておきましょう。

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