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管理組合の滞納金(未収金)の損金処理

執筆者の写真: 快適マンションパートナーズ 石田快適マンションパートナーズ 石田

更新日:2021年2月18日



 管理費や長期修繕積立金の滞納が発生している管理組合で、長期の未収金が発生しているケースがあります。国土交通省の「平成25年度マンション総合調査」によると、管理費・修繕積立金を4か月以上滞納している住戸がある管理組合の割合は22.7%、1年以上滞納している管理組合の割合は15.9%となっています。

 先日相談のあった築40年超のマンションも、管理会社の不誠実な対応もあり、数十年に渡る長期滞納者が複数人いるマンションでした。


 管理費や修繕積立金は、さまざまな督促方法で早期に回収すべきです。未払いが長期間になると滞納金額も高額になりますし、区分所有者も払わないことがあたりまえになり、払おうという意欲もなくなります。年齢も高齢となり、払いたくても払えないというケースも増えてきます。また売買等で所有者が代わった場合には、新しい所有者から「時効の援用」を宣告されるケースも考えられます。その場合には、5年間の未収金については回収できますが、5年以上前の未収金については回収できません。


 回収不能となった未収金については、総会に議案提出し、普通決議によって、未収金の損金処理を実施することになります。


 ただしこの損金処理は、あくまで回収することが不可能となった場合におこなう行為であり、安易に実施すべきではありません。5年超の未収金であっても、入居者が未収金の存在を認め、払う意思がある限りは、時効は援用されないので、回収の努力を続ける必要があります。


 本来であれば、長期の未収金が発生しないように、様々な回収努力をすべきですが、どうしても支払いしてもらえない場合には、法的手段に訴えて、最終的にはマンションの競売で、未収金を回収するしか方法はありません。


 未収金住戸の入居者には、競売までの最終スケジュールを説明し、本人の自覚を促すしか方法がないように思います。腹をくくって裁判に訴えるか、債権放棄して、リセットするのか、管理組合の覚悟が試される問題だと思います。

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