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  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

築50年超の大型団地、建替えか外断熱改修で長寿命化か

更新日:2023年11月13日



 2023年4月5日の廣田信子さんの表題のブログを紹介します。


「築50年を超える団地の再生が始まっています。

 築57年(1966年竣工)の桜台団地(4階建て18棟、456戸)が建替え決議をしました。横浜郊外にある桜台団地(青葉区)は、これだけ大規模で、専門家も「難しいだろう」と言っていた建替え決議が可決されたのです。


桜台団地の建替えが実現するまで ↓


 一度、以前に建替えに関する合意形成を試みたものの話し合いの場は紛糾。団地内で、賛成派と反対派に二分してしまったといいます。ほどなく襲ったリーマン・ショックの影響で、民間企業も桜台団地から撤退してしまいました。その後、再度、再生のためにあらゆる選択肢を慎重に検討していく動きが出ました。

 修繕しながら維持管理か、大規模改修や建替えをさらに検討するかについて、透明性を重視しながら議論を展開していったと言います。

 改修、建替えについては、分譲を行った横浜市住宅供給公社が担当に選ばれましたが、公社職員は、賛成するように説得するのではなく、よく考えた上で意思表示をしてほしいとお願いを続けたといいます。

 明海大学の小杉准教授は、合意形成に向けて誘導するウェットな手法でなく、メリット、デメリットを一人一人に平等に提示するドライなやり方を通してきたことが、影響したのではないかと言われます。想定外の反対で建替えが頓挫し、建物の不具合が続いて居住環境が悪化したケースも見てきていますから…と。


 小杉先生にとっても、よく合意形成できたということだったようです。民間企業でなく住宅供給公社だったから一人、一人がこれまでの議論に目を向けて意思決定してもらおうという努力が実ったのではないか…と。

 2021年から解体が始まり、2025年ごろに、6棟 761戸のマンションに生まれ変わるといいます。

もともとの居住者の半数ほどが、新しい住戸の取得にかかる費用から従前資産額を指し引いた金額を負担し、建替え後のマンションに再入居するといいます。


 さて、一方、築80年を目指し、外断熱改修を行うことを決議した団地もあります。築55年(1968年竣工)の花見川団地(千葉市)です。(5階建て、40棟、1230戸)

 国交省の長期優良住宅化リフォーム推進事業を活用して、8億円以上の補助金を目指し、8割以上を補助金で賄うことを想定しています。


花見川団地外断熱改修の取り組み ↓


 1966年、1968年という同じ時期に、郊外に建った大型団地。築50年を前に、ここ10数年は、相当将来について悩んだことと思います。1つが建替えを決議し、1つが外断熱改修を行い、築80年を目指すと決め、それを実行するのです。


 それぞれの経緯がりと出会いがあり、違う方向に合意形成したのです。自分たちで、それを決めた…のです。それがとても大事なことだと思います。

 それぞれがその選択の中で、新たな道を歩んでいかれることを願っています。」


 築40年を過ぎると、マンションの将来について真剣に考える必要が出てきます。この記事の2つのマンションでは、一つのマンションが建替えを決め。もう一つのマンションは築80年までマンションももたせる目的で、外断熱の改修工事を決議しました。立地条件や住んでいる人の意思決定でマンションの未来も変わってくることが良く判る事例です。

 香川県でも築50年超の分譲マンションは8棟あります。これらのマンションの組合員は、マンションの将来について、真剣に考える時期にきています。


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