平成30年国交省の調査(マンション総合調査)によると、マンションで多いトラブルは、生活音(38%)・違法駐車(19%)・ペット飼育(18.1%)の順となっています。今回は多くのマンションで問題となっている敷地内への迷惑駐車のお話です。
マンションの敷地内で、駐車場ではない場所に管理組合に無断で車両を駐車することが、マンションにおける「迷惑駐車」「違法駐車」の問題です。
マンションの敷地内で、定めれた駐車場の区域外に駐車されると「ゴミ収集車」が近寄れなかったり、「救急車」「消防車」などの緊急車両の進路を妨げたり、道路の見通しが悪化して「人身事故」の危険性が高まるなどの問題が発生します。
しかし、マンションの敷地内は私有地なので、公道での駐車違反とは事情が異なります。公道であれば違法駐車の車両を警察が道路交通法違反として駐車違反として取り締まれますが、マンションの無断駐車については、私有地であるため警察は原則的に介入できません。マンション内の無断駐車を警察に通報しても私有地内のこととして警察が積極的に解決してくれるわけではありません。ですから、無断駐車はマンション管理のトラブルでも対応が難しい問題とされています。
迷惑駐車の防止予防策
具体的な予防策としては、以下のような対応が考えれます。
① 駐車されやすい場所には、コーンや駐車禁止の看板を立てる。
② 駐車禁止の張り紙やラミネートを作成して設置する。
③ 張り紙には「無断駐車には1万円」など具体的な金額を記載する。
④ 無断駐車が行われる場所に監視カメラを設置する。
⑤ 悪質な場合には写真を撮り掲示板に掲示する。
マンションの敷地内で、無断駐車の車両を見つけた場合には管理会社に連絡をします。車両の所有者が特定出来た場合には、管理人や管理会社の担当者(フロントマン)を通して、その方に直接注意を促します。
所有者が不明な場合には、マンションの掲示板への「注意文の掲示」や「ワイパーへの警告文の挟み込み」などをおこないます。無断駐車の車両の所有者が外部の方であったり、特定できない場合には対応が困難ですが、定期的な巡回をおこない、無断駐車している日時や写真の記録をとっておくことが、法的措置になった場合にはとても重要な証拠となります。
注意点
無断駐車の車両のワイパーとフロントガラスの間に警告文を挟むぐらいであれば問題にならないのですが、違法駐車車両に警告文をテープで張ったり、のり付けして車両に汚れや傷をつけると器物損壊で訴えられるおそれがあります。
また、所有者に無断で民間のレッカー業者に依頼して移動すると、レッカー移動された相手と管理組合との間でトラブルになりかねません。強硬策による自力救済は避けましょう。
まとめ
迷惑駐車のほとんどは、特定の居住者が「マンションの敷地内であれば駐車違反として警察に検挙されない」と知った上で確信犯的に長期間、行うケースです。これを長期間放置しておくと、他の居住者も大丈夫だと思い、同じように迷惑駐車を繰り返し、緊急車両の通行に支障をきたすことが考えられます。
このような事態を防ぐためにも、迷惑駐車に対しては早期に断固たる処置をとる必要があります。
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