先日、マンションの理事の人から避雷針に雷が落ちた場合はどうなるの?という問い合わせを受けました。
建築基準法では高さ20m以上の建物には避雷針の設置が定められています。避雷針とは「雷を避ける針」という表記ですが、実際には字義とは逆に避雷針へ雷を呼び寄せる設備です。建物に設置する場合には、避雷針以外の部分に雷が落ちないように、避雷針の先端から頂角60度の円錐形内に建物全体が収まるように設置されます。
また避雷針に落ちた雷の電流は、専用配線や建物内部の鉄筋等を通じて、建物地下まで流され、地下で放電することで、雷被害を防ぐようになっています。
ただし、避雷針があれば落雷の被害がまったくない……というわけではありません。「雷サージ」という現象が起きる場合があり、家電がダメージを受けて故障してしまう可能性があります。避雷針に誘導された雷の電流が建物の導線を通るとき、建物内部の電線を通って電流が侵入してくることがあります。そして、コンセントにつながれた家電に電流が伝わり、ダメージを与えてしまうことがあります。私が過去に聞いた話では、マンションに雷が落ちてテレビやパソコンが壊れたという話もありました。
これを雷サージといいます。雷サージを防ぐためには、雷サージ保護機能を持つ電源タップ(延長コード)を使うのが有効です。その他では、避雷器付きの分電盤も販売されています。 雷サージは過剰な電流が侵入することで起こりますが、保護機能付きの電源タップは、ある程度の過剰な電流を吸収し、家電に伝わりにくくしてくれます。
ただし、雷サージを100%完全に防げるわけではないので注意が必要です。不安な方は、雷が近くに落ちそうなときは思いきって家電のコンセントを抜くようにしましょう。
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