
先日20階建てのマンションへ伺った際に、エレベーターが2台あり、そのうち1台は非常用エレベーターとなっていました。
非常用エレベーターとは、火災などの非常時に、消火・救助活動等に使用するエレベーターです。高層建築物の高層階において火災等が発生した場合、低層建築物と同様のはしご車等を使用した消火・救助活動には困難です。そこで、建築物内部の昇降設備を消火活動に使用する目的として、消防隊がはしご車等で火災箇所にアプローチするのではなく、エレベータに乗りこんで火災箇所に向かうために使用するエレベーターです。そのため、非常用エレベーターの乗場は、火災時には煙等が充満しないよう非常ドアで閉鎖され、また停電でも運連できるように、非常用電源が設置されています。
建築基準法では高さ31m以上の建築物には非常用エレベーターの設置が義務付けられていますが、特例として「高さ31mを超える部分の階数が四以下の主要構造部を耐火構造とした建築物で、当該部分が床面積の合計100㎡以内ごとに耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備(中略)で区画されているもの」は設置が免除されています。
一般的なマンションの階数が14階や15階までとなっている理由は、31mまでの高さに10階や11階を抑えることで、上記特例を活用し、その高さに4階を足した14階や15階であれば、非常用エレベーターを設置しなくても良いという理由のためです。
非常用エレベーターは、火災時でも運転できるので、避難にも使えそうですが、一般の人が避難に使用は出来ません。避難については、他の建物同様に、階段を使って避難することになります。
住んでいる人は、マンションにエレベーターが2台設置されていると思っているだけだと思いますが、このようにエレベーターの種類が違っていることも、知っておいてください。
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