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  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

オートロックの鍵シリンダーについて

更新日:2021年9月10日



 管理組合の顧問をしているマンションから、オートロックの鍵が、他のマンションの鍵でも開くようになったので調べて欲しいとの問い合わせがありました。製造元の美和ロックにキーシリンダーを送って調べてもらったところ、鍵穴の中にゴミが溜まっており、そのゴミが原因で、鍵のシアラインに傷がついており、他の鍵でも開くようになったという回答でした。シアラインとは、シリンダー錠の内筒と外筒の境目ことです。鍵をさしていない状態ではピンやディスクが境目の障害物となり内筒が回転しません。正しい鍵を差し込むことにより障害物のピンやディスクが境目に揃い内筒が回転します。違う鍵をさした場合には、ピンやディスクが境目に揃わず障害物となり回転させることができません。

 TV番組で「開かずの金庫」を開けるという番組があり、よく3つの数字を併せると開くと言ってたりしますが、3つの数字がそろった状態が、シアラインの揃った状態であり、その状態で初めて鍵が廻ります。多分、ここの鍵は、廻らなくなった状況の時に、無理やり鍵を回して、シアラインを壊してしまったことが原因だと思われます。


 通常、鍵が抜けなくなったり、廻らなくなったという事故は良く聞きますが、その状態から、さらに無理をしたために、鍵穴自体が壊れたのでは?ということでした。また、鍵の廻りが悪くなってシリコーン系の潤滑剤を鍵穴に噴射して、シアラインが揃った状態で、鍵穴が固まったおそれもあるようです。鍵の抜き差しがしにくくなった場合には、必ずメーカー推奨の鍵穴専用の潤滑剤を使用する必要があります。


 メーカーの見解では、鍵穴は20万回の耐久試験をクリアーした製品を使っていると言っていますが、50戸のマンションで、家族4人が1日1回、オートロックの鍵を開錠したとして、3年弱で20万回使用したことになります。メーカーの見解では、キーシリンダーの耐用年数は約10年であり、また、壊れたことを考えて、大型マンションでは、予備のシリンダーをあらかじめ用意しているマンションもあるそうです。


 ピッキングが出来ないように、鍵が精工な作りになったこともあり、鍵が抜けない・廻らないというクレームも増えてきています。今、大規模修繕工事のコンサルタントをしているマンションでも、エントランスに小学生が二人立っているので「どうしたの?」と聞いたところ、鍵がオートロックの鍵穴から抜けなくなって、鍵屋さんを呼んでいるが、その間、入居者が困らないように、ここで立って、出入りできるようにしている。と言っていたという話を、理事の方から伺いました。


 これらの事故を防ぐには、主に2つの方法があります。一つ目は、暗証番号を入居者にお知らせして、暗証番号による開錠方法を追加することです。ただし、暗証番号は入居者以外にも広まるおそれもあり、定期的な変更が必要です。

 二つ目は、非接触キーの採用です。美和ロックのラクセスシステムを採用すれば、カバンの中等にラクセスキーを持っているだけで、自動ドアに近づくと自動ドアが勝手に開きます。両手に荷物をもっていても、いちいち鍵を出さなくても、オートロックの開閉ができるので、とても便利な方法です。その他にも、顔認証で開錠する方法もありますが、近年のコロナの影響で、マスクをしていると、顔認証が機能しないケースも増えてきています。


 自動車も昔は鍵をさして開錠していたのが、リモコンのスイッチを押してに代わり、今はポケットにカギを持っていれば、ドアノブに触れるだけで乗り降りができるようになってきました。住宅も遅ればせながら、やっとそういう時代になってきたようです。

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