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  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

ガス漏れ警報器は必要?

更新日:2023年4月6日



 私の住んでいるマンションの先日の理事会で、管理会社からキッチンについているガス漏れ警報器が保証期間の5年が過ぎたので交換したらどうですか?という提案がありました。戸たり8000円程度ですが、100戸近い規模のマンションなので、総額で100万円弱の金額がかかります。「最近はマイコンガスメーターの採用や、ガスコンロの高機能化で、ガス漏れ事故自体が減っているので、ガス漏れ警報器は必要ないと思います。」と私は発言したのですが、他の出席者の皆さんは、「そうは言っても、万が一事故が発生すれば、理事会の責任にされるのは嫌だ。」と、ガス漏れ警報器の撤去には否定的でした。

 そこで、「保証期間は5年だが、5年でただちに壊れるものではないので、交換時期を延ばす。」ということで、今回の理事会の決議としました。

 管理会社に聞いても、各戸の負担で交換するケースはあるが、ガス漏れ警報器自体が不要という管理組合は、いままでなかったとのことでした。


 そこで、今回はガス漏れ警報器の必要性について考えてみたいと思います。

 ガス漏れ警報器とは、ガスコンロが点火不良や不具合などでガス漏れを起こした時に検知して、ブザーや音声で知らせてくれる機械です。ガス漏れ警報器は、「都市ガス用」と「LPガス用」に分かれます。都市ガスは空気よりも軽いので天井に、プロパンガスは空気よりも重いので床近くの壁に設置されるのが一般的です。


 ガス漏れ警報器は「プロパンガス」を使用している場合は、3戸以上のマンションならば設置することが義務付けされています

 ただし、次の条件に当てはまる場合は設置をしなくても良いことになっています。

①室内にガス燃焼器具(ガスコンロ・ガスファンヒーター等)が無い。

 オール電化マンションやガス給湯器(室外に設置)しかないマンションが該当します。室内でガス漏れが発生するリスクが無いため、当然警報器を設置する必要はありません。

②ガス器具がネジ接続であり、かつ、燃焼器に立ち消え安全機能が付いている。

 いわゆる「ビルトインコンロ」がこれに該当します。

③常時設置タイプのガス燃焼器具がない。

 室内に常時設置されているガス燃焼器具が無く、カセットガスコンロくらいしかない場合です。

④ガス燃焼器具がヒューズガス栓で接続され、かつ、燃焼器に立ち消え安全機能が付いている。

 ヒューズガス栓(規定流量以上のガスが流れると自動的にガスを止める装置の付いたガス栓)により接続された「立ち消え安全機能付きガス燃焼器具」は、近年では一般的になっています。


 一般的なマンションでは上記条件に該当しており、ガス漏れ警報器の設置は法的には不要です。私がマンションを設計していた時は、ガス会社はサービスで無償でガス漏れ警報器を設置しており、その流れが現在も続いているのだと思います。

 最近はマイコンガスメーターで、微量なガス漏れを検知すると自動的にガスを遮断しますし、新しいビルトインコンロには「立ち消え安心装置」で調理中に吹きこぼれや煮こぼれ、風などの影響で火が消えてしまうと、自動的にガスを止めます。

 私の住んでいるマンションは築30年です。5年毎に交換していたとすれば、既に500万円近いお金を使ったことになります。500万円あれば、宅配ロッカーも自動ドアも設置できる金額です。

 管理会社から言われて、安易に交換するだけでなく、今一度、必要性を理事会で十分検討することをお勧めします。

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