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  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

マンション管理会社に騙されるな、管理組合の理事選びは「半数改選」で

更新日:2021年9月13日



 2018年7月27日のダイヤモンドオンラインの株式会社シーピーアイ代表取締役須藤桂一さんの表題のブログを紹介します。


「特定の人が居座りやすく不正の温床となりやすい輪番制以外の方法は、最上階に住む元地主が終身理事長といった特殊なケースを除けばあまり見受けられず、輪番制自体は定着しているのだ。

 しかし、輪番制の最大の欠点である「管理会社の言いなりになりやすい」という点は、ほとんど改善が見られない。


 そこで今回は、もう一歩踏み込んで、輪番は輪番でも全員が1年周期で総入れ替えとなる「1年全改選」を見直して、住民がより主体的にマンション管理に取り組める方法を提案したい。

 それは、「任期2年で毎年半数改選」という参議院議員選挙のような方法だ。


管理会社に全てを委ねる「1年全改選・輪番制」

 まずもう一度「1年全改選」の問題点を復習しておこう。

「1年全改選」が今でも圧倒的多数を占めるのは、「面倒くさいがとにかく1年だけ我慢すれば、しばらくはお役御免」と考える一般的な区分所有者の意向と、「寝た子をなるべく起こさない」ポリシーの管理会社の意向が、ピッタリとマッチしているからだ。

 最初の大規模修繕工事を迎える前の、築10年程度までのマンションなら、ほとんどの理事はマンション管理組合活動、理事会参加も初めてなので、理事会運営に関しては何の知識もないまま理事会に加わることになる。

 これは管理会社にとっては、大変やりやすい状況だ。フロントマンは「面倒臭いことは嫌だなー」と顔に書いてあるような理事の面々を前にして、「どうぞご心配なく、面倒なことは全て私がお引き受けします、理事会もできるだけ少なめで、短めにしますので、どうか1年だけお付き合いください」と言えば、ほとんどの理事は真に受けて安心する。

 新年度に入り、総会で理事会のメンツが決まると、管理会社が音頭を取って第1回の理事会が開かれる。

 その場では右も左もわからなかった新米理事も、問題意識を持つ人なら、3ヵ月ほど経てばなんとなく方向性や自分の立ち位置がわかってくる。

 半年も経てば、課題が何かもわかってくるが、「管理会社に任せてばかりではまずい」と真面目に取り組み始めたところで、任期満了はすぐそこに来ているといった具合だ。

 「起きかけた子ども」は起きる前に交代してもらえる「1年全改選」なら、管理会社にとっては「寝ている子ばかりの保育園」のように手がかからず、思い通りの運営ができるわけだ。

 ここで何が問題かといえば、管理組合の主体性を管理会社に奪われるだけではなく、管理組合にとって本当に必要な、何年かにわたって考えていかなければならない長期的視野に立った審議の継続が妨げられ、大切な議題が頓挫してしまうことだ。

 国会でいえば「誰か」の都合で重要な法案が「廃案」になってしまうという事態と同じだ。例えば管理会社に不都合な議題があったとすれば、それを消滅させてしまうことも可能だということである。

これは脅しでもなんでもない。わたしは多くの管理組合から、そのような相談を受けているのだ。


管理会社の言いなりにならない任期2年、半数改選

 そこで、わたしが提案したいのが「任期2年、1年ごとに半数を改選」という仕組みだ。半数改選なら、残り半数の理事はそれまでの1年間の経緯や議論を見てきているので、理事の半分が新人でも、それまでと同じレベルで議事を進めることができる。


 皆さんはどのようにお感じだろうか?

 確かに2年は長いと感じられる方は多いだろう。また輪番制となっていても、どうしてもやりたくない人が抜けられるような既成事実でもあれば、さらに不公平感は募る。

 本題ではないが、この不公平を緩和し、積極的な参加者を確保するために、総会、理事会に出席手当を出す。あるいは出ない人から協力金を徴収する方法も一案だ。

 どうしても「2年は長すぎる」と賛成を得られないなら、せめて、理事引き継ぎの際にノリシロを設けるという事を考えていただきたい。

 ノリシロとは、総会前後の3ヵ月程度、回数にしてそれぞれ2回ずつ計4回、新旧理事がともに理事会に参加する仕組みのことだ。

 これによって重要課題が次の1年にも確実に引き継がれることが期待できる。総会前のノリシロ期では次期理事が、総会後のノリシロ期は旧理事がオブザーバーとして参加すれば、「よくわからないままで数ヵ月が経ってしまった」という事態を回避できる。任期は実質14ヵ月という事になるが、せめてここまではしていていただきたいところなのだ。

 なぜなら、区分所有者共有のマンションという財産を本気で守りたいと思っているのは、区分所有者だけだからだ。管理会社は管理組合とは利益相反の性質を持つ存在であることを忘れてはいけない。

 管理会社からすれば「うちのマンションは管理会社にお任せで楽チン、理事になっても大して面倒はない」というセリフを理事や組合員からいただければ最高で、そうなれば、そのマンションは、使い放題の財布を預けてくれるような気前のいいお得意様なのだ。

 その反対に、任期を倍にしても「しっかりマンションの将来を考えていきたい」というような意識を持った管理組合なら、好きに使えるお財布なんて預けてくれないばかりか、いい加減なことをすれば、「そろそろ管理会社を変えよう」などと言われかねないので、管理会社は本来の管理業務に徹する姿勢を見せ続けなければならないわけだ。

 マンションはさまざまな人が集まって、管理組合を構成している。そのさまざまな人が輪番制で理事に就任することになる。

 「1年全改選」なら、どんなに熱心な理事がそろった年度でも、管理会社は1年だけ、おとなしくしていればいいのだ。

 だから区分所有者は、そのような管理会社の意図をよく理解して組織づくりをしなければならない。マンションの規模や住む人の個性はさまざまだが、何とかしっかりと何年も継続して課題に取り組めるように、任期やノリシロについて再考してみることを強くお勧めしたい。」


 このブログにある任期2年で半数の理事入替えは、私もお勧めしている方法です。私が住んでいるマンションでも、私が理事長をしていた時にこの方法に変え、それ以来スムーズに理事会運営が行われています。また、今お付き合いしている管理組合では前期の理事長が相談役として、1年間理事会の活動に係っている管理組合もあります。理事長の長期間就任禁止と併せて、是非検討してみてください。


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