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  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

分譲マンション大規模修繕工事向け履行保証保険

更新日:2023年9月13日



 一般社団法人マンションあんしんセンターは日新火災海上保険株式会社と共同開発した、「分譲マンション大規模修繕工事向け履行保証保険」の取扱いを2022年10月より開始しました。


 履行保証保険とは、大規模修繕工事中に施工会社が倒産した場合に、保険金を支払い、継続する別の施工会社の選定費用や、工事金額の過払い等の被害金を少なくする保険です。

 これまで、大規模修繕工事には同様の保険はなく、施工会社と付き合いのある会社に完成保証を付けてもらい、万が一施工会社が倒産した場合には、完成保証をした施工会社が後の工事を行うというのが一般的でした。

 これまで分譲マンション大規模修繕工事中の工事会社の倒産に対して保険制度は広く提供されていませんでしたが、本保険を通じてより多くのマンション管理組合の皆様に工事会社の倒産による費用負担を軽減する仕組みが出来たのは評価すべきだと思います。

 保障内容は工事費の10%または1000万円の少ない方の金額ということで、工事費1億円で6カ月の工事であれば保険金額は60万円です。


 会社員時代にも、完成保証を求める組合がたまにありましたが、その多くは修繕委員に役所の人間がいるケースでした。公共工事では完成保証を付けるのが一般的なため、大規模修繕工事にも、同様の保証を求めるようです。


 私がコンサルをするケースでは、施工後の工事の不具合を保証する瑕疵担保保険への加入は入札条件に定めていますが、完成保証までは求めていません。保険金は結局は工事費に上乗せされるので、それよりも入札前の審査(過去3年間の決算書等)で、基本的に倒産するような会社には発注しません。また、工事金額についても過払いにならないよう注意することで、万が一の倒産リスクを回避しています。


 「分譲マンション大規模修繕工事向け履行保証保険」への加入を検討するよりは、施工会社の選定基準をしっかりと定めるほうが重要だと思います。


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