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  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

排水管の勾配

更新日:2022年11月28日



 最近のマンションは共用排水竪管までの横引き排水管は、住戸内のコンクリートスラブ上に配置されています。また、その横引き排水管は、水と一緒に汚物を流すために、竪管に向かって排水勾配が設けられています。

 スムーズに排水するためには、排水勾配は急なほうが良いと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、勾配が急すぎると、排水の水だけが先に流れて、汚物が横引き配管内に溜まり、詰まりの原因になります。一般的には、排水管の直径を分母にした勾配を設けることが一般的です。一般的にはキッチンの排水管の直径が75mm、トイレの排水管の直径が100mmなので、それぞれの排水管の勾配はキッチンが1/75、トイレが1/100の勾配となります。

 これらの勾配を床下でとることを考慮すると、180mm程度の床下寸法が必要になります。

 少し前のマンションでは、洗面所やトイレは、廊下から一段高くなっていましたが、この排水管があったことが、床に段差が出来ていた理由です。

 また、排水の為には、排水竪管までの距離や、その間にいくら曲がりがあるかも重要です。特に、トイレは出来るだけ排水竪管から短い場所に設置されているか確認してください。建築費を下げる目的で、排水竪管の本数を少なくしているマンションは、横引き配管の距離も長くなり、また曲がりの個所数も多くなり、横引き配管が詰まる可能性も高くなります。私が設計していた頃は、横引き管は3m以内、曲がりは2曲がり以下というのが基準でした。

 排水管の詰りを防ぐためには、排水管の高圧洗浄を1~2年おきに実施することが重要になります。


 マンションによっては、竣工してから一度も排水管洗浄を実施していないマンションもあるようです。最低でも2年に一度は排水管洗浄を実施するようにしましょう。


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