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  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

日本の地球温暖化対策

更新日:2023年10月17日



 今年の夏は過去最高の平均気温になるなど、地球温暖化の影響が顕著になってきています。地球温暖化対策は、まったなしの状況です。


世界的な流れ

 地球温暖化対策に関する国際的な枠組みは、1992年に締結された「気候変動に関する国際連合枠組条約」に始まり、1995年から気候変動枠組条約締結会議(COP)が毎年開催されるようになりました。


 1997年の開催のCOP3では「京都議定書」が採択され、先進国に対しての温室効果ガスの削減目標が設定されました。その後、各国の排出削減努力や世界経済の停滞もあり、2015年2月に第1約束期間の目標が達成されました。当初目標は2008~2012年でしたから、3年遅れの結果となりました。

 京都議定書はこのように一定の成果を上げましたが、その後に排出が増大した発展途上国に排出義務が課せられなかったことや、当時最大の排出国であったアメリカの離脱等、地球温暖化対策防止の実効性の観点から大きな課題も残りました。


 2010年開催のCOP16の「カンクン合意」では、京都議定書に参加していない先進国や発展途上国が2020年までにCO2削減目標を自主的に設定することが定められました。これにより2020年までの地球温暖化対策は、京都議定書に基づく枠組とカンクン合意に基づく枠組を併存させて進めることとなりました。


 2015年開催のCOP21の「パリ協定」では、上記2つの枠組を一本化し、すべての締結国が参加する新たな2020年以降の温室効果ガス排出削減目標が設定されました。具体的には

・世界共通の長期目標として、産業革命以前からの温度上昇を2℃未満に抑制

 (さらに1.5℃に抑える努力を追及することを言及)

・各国に温室効果ガス削減目標の報告や、目標達成に向けた国内対策の実施を義務付け

・二国間クレジットを含めた市場メカニズムの活用を位置づけ

・先進国に途上国支援についての努力義務を課すほか、先進国以外の国にも、自主的な拠出を奨励

・温暖化への適応に向けた世界全体の目標の設定、各国の適応計画プロセスや行動の実施、適応計画書の提出と定期的更新


 2018年開催のCOP24において「カトヴィツェ気候パッケージ」が定められました。パッケージでは、国別約束に盛り込む情報として、自国の適応・緩和対策とともに途上国の気候行動への資金援助の明細を示すとされました。また2025年以降の途上国支援資金の目標設定プロセス、世界全体の実施状況を確認する2023年のグローバル・ストックテイクの実施方法、技術開発の移転と進捗状況の評価方法が決定されました。


 2021年開催のCOP26では、世界の気候変動対策の目標を「1.5℃」とする「グラスゴー気候合意」がまとめられました。同合意では、各国への2030年削減目標の強化の要請、石炭火力発電所の段階的削減、途上国の気候変動対策資金への追加援助などが明記され、また複数の国が協力して温室効果ガスの排出量を削減した場合の評価方法を定めた「パリ協定ルールブック」が整備されました。


 これらの流れを見てみると、1992年から実に30年間にわたり、地球温暖化対策についての取組が実施されてきたことが解ります。


日本の対応

 それでは、日本の対応は実際どうだったのでしょうか?下記に示す棒グラフは、1990年~2021年の日本の温室効果ガスの排出量の推移です。

 平成12年以降の温室効果ガス(二酸化炭素・メタン・1酸化2窒素・代替フロン等3ガス)の総排出量は上図のように推移しています。


 2000年以降、おおむね1990年比8%増で推移したのち、2008年・2009年はリーマンショックによる景気後退の影響で排出量が大幅に減少し、2009年は1990年比2%の減となりました。その後、2011年の東日本大震災を受け、各地の原子力発電所が運転を停止したため、火力発電の増加もあり、2013年には1990年比10.5%増となりました。


 2014年以降は、太陽光発電の増加等による再生可能エネルギーの増大や、省エネ対策の推進、新型コロナ感染拡大による経済活動の停滞等の影響を受け、2020年度の排出量は11.49億トンとなり、ピーク時の2013年比18.4%減となりました。


 これらの状況を受け2015年7月に日本が提出した「約束草案」では、中期目標として「2030年度の削減目標を2013年度比26%削減」とし、より野心的な削減目標として2050年のできるだけ近い時期に脱炭素社会を実現できるよう努力することが表明されました。


 2021年10月には、令和2年10月に菅総理が内閣総理大臣所信表明においてに表明した「2050年カーボンニュートラル宣言:2050年までに国内の温室効果ガスの排出を実質ゼロとする」と整合させる野心的な削減目標として「2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減を目指し、さらに50%の高みに向けて挑戦を続ける」としています。


 このように、日本も地球温暖化対策に向けて、着実に実績を積み重ねています。マンション改修においては、電気自動車用充電設備の設置や、省エネ器機の導入、断熱性に向上や、適切な修繕による建物の長寿命化等、地球温暖化に向けて行うことは多々あります。


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